(作家の口福)飢えても食えない麝香牛 角幡唯介

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 近年は北極圏を旅している。極地の旅は橇(そり)に荷物を大量に積載できるので行動期間が長くなる。二カ月間、一人の人間とも出会わないというのはザラで、三年前に太陽が昇らない暗黒の極夜を探検したときは八十日間もかかった。これだけ長い間、旅をしていると当然、途中で飢える。

 一回の旅の期間として長かったの…

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連載作家の口福

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