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 「1強多弱」といわれた野党の分裂状態に終止符を打ち、政権選択の選挙に挑む足場を築いたことは間違いない。自公政権との対立軸を明確に示し、国民から選ばれる政党になれるか、もう後がないという覚悟で臨まねばなるまい。

 立憲民主党88人、国民民主党40人、無所属21人の計149人の衆参両院議員が集った合流新党の代表選が行われ、立憲代表の枝野幸男氏が選ばれた。党名も投票の結果、立憲民主党と決まった。来週15日、結党大会が開かれる。

 期せずして、7年8カ月に及んだ安倍政権の終わりと重なった。「弱い野党」の存在が、国会の行政監視機能の低下を招き、長期政権のおごりや緩みを許した側面は否定できない。次の首相が誰になるにせよ、政治に緊張感を取り戻すうえで、野党第1党の役割は大きい。

 新党といっても、党名も代表もかわらない。旧民進党勢力が近づく解散総選挙を意識して、「元のさや」に収まっただけとの冷めた見方もある。

 これに対し、枝野氏は選挙期間中、党の綱領を見比べて欲しいと反論した。合流新党の綱領には「過度な自己責任論に陥らず、公正な配分により格差を解消」するとある。民主・民進両党の時代にあった新自由主義的な傾向からは明確に決別したというわけだ。

 新党の綱領には他にも、ジェンダー平等の確立や原発ゼロ社会の実現、公文書管理と情報公開の徹底など、自公政権との対立軸になる基本方針が示されている。これらをどう肉付けし、国民にアピールするか。「元のさや」批判には、その実績をもって答えるしかない。

 国民の高い支持で政権交代を実現しながら、3年3カ月で幕を閉じた民主党政権の混迷は、まだ記憶に新しい。枝野氏は官房長官や経産相などとして、その政権の中枢にいた。挫折の教訓を生かし、国民から政権を託すに足ると認めてもらえるか、その責任は極めて重い。

 今回の代表選は国会議員のみで行われ、党員や地方議員らは参加できなかった。政党の力を支えるのは地方組織であり、地域に根ざした地道な活動である。新党にとって組織の足腰を鍛えることも急務だ。

 衆院議員の残り任期は1年。政界では、新首相による早期解散の観測も流れる。枝野氏はきのう「国民の選択肢になろう」と決意を語った。合流新党に加わらなかった国民民主党の玉木雄一郎代表らによる新党を含め、これまでの野党共闘の枠組みを崩さず、候補者調整や共通公約づくりなど、選挙協力の議論を急ぐ必要がある。

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