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 コロナ禍で経済環境が悪化する中、ネットで広く支援を募るクラウドファンディングが注目されています。朝日新聞社が運営する「A-port」(エーポート、https://a-port.asahi.com/別ウインドウで開きます)でも、多くの支援が寄せられています。

 ■ユースホステルの灯、守りたい 瀬戸際の経営、相次ぐ廃業・営業中止

 若者たちに安全で温かな旅の宿を提供しようという理念を掲げ、全国に広がった会員制の宿泊施設ネットワーク「ユースホステル」(YH)が、新型コロナウイルスの影響で、各地で経営難に陥っている。予約のキャンセルが相次ぎ、廃業する宿も。日本ユースホステル協会(東京都渋谷区)はクラウドファンディングに踏み切った。

 8月31日に、新宮早玉ユースホステル(和歌山県新宮市)など、三つの宿が廃業した。長崎県内のYHも7月末に閉鎖しており、コロナ禍による廃業はこれで4施設となった。

 その一つ、JR博多駅近くにあった福岡ユースホステル経営者は明かす。「安いホテルが増えて年々競争が厳しくなっていましたが、コロナで突然お客さまが95%減に。一泊2千円に下げる宿まで現れ、限界でした」

 営業を中止している宿は北海道や石川、奈良、宮崎など全国で十数カ所を数える。同協会の寺島眞理事長(59)は「瀬戸際で踏みとどまっている各地のYHを励ましていただければ」と支援を呼びかけている。

 「ユースホステル」は旅を通じた若者の成長をめざし、簡素だが清潔で安全な宿を提供しようという民間の運動だ。1909年にドイツに始まり、世界56カ国に広がった。日本では同協会設立から70年になる。

 バックパッカーブームなどに押され、70年代には580以上の宿を年300万人以上が利用した。旅好き同士がYHで出会い、結婚して新しいYHを建てた例も少なくない。

 現在は約170施設。当初は夜のミーティングや門限、飲酒禁止などのルールがあったが、今ではほとんどなくなった。大学のサークル活動や中高生の部活動などに好んで使われてきたほか、かつての利用者が家族や高齢者同士で再び訪れるケースも多かった。

 日本酒党の集まる宿として国内外に知られる高知ユースホステルの近藤富夫さん(66)は「酒好きの外国人も、合宿の中高生もお遍路さんも、皆いなくなってしまいました。地元のお祭りも中止で収入は8割減。この先どうなることかと心配しています」と話す。(斎藤智子)

 《目標額》 300万円

 《特典例》 1万円で全国のYHのうち80カ所で利用できる無料宿泊券など。個別のYHを指定して支援することもできる。http://t.asahi.com/whrd別ウインドウで開きます

 ■カメジローの資料館、今こそ不屈の精神

 沖縄出身の反骨の政治家、瀬長亀次郎(1907~2001)が残した資料を展示する「不屈館」(那覇市)が、活動存続のため支援を募っている。

 「カメジロー」の愛称で親しまれた瀬長は、米統治下の沖縄で日本復帰を訴えた。米当局の様々な妨害にも屈せず運動を続け、党派を超えて民衆の支持を集めたシンボル的存在だった。

 「不屈館」は彼が残した膨大な日記や民衆運動の記録などを公開し、沖縄の戦後史を学ぶ資料館として2013年に開館。行政からの援助を受けず、会員制で運営してきた。しかし、新型コロナの影響で来館者は一時ゼロに。危機を乗り越えるためクラウドファンディングを6月から始めると、予想を上回るペースで支援が集まった。現在800万円を目標に10月19日まで支援を受け付けている。

 カメジローの次女である館長の内村千尋さん(75)は「大きな反響に感謝しています。高齢の方から問い合わせ電話や現金書留が直接届く一方で、カメジローを知らなかった人や若い世代からの支援も目立つ。クラウドファンディングのおかげで、より幅広い層に知ってもらえた」と語る。

 支援金は、未発表原稿の書籍化や環境に優しいグッズ開発などにあてる。「みなさんの励ましで、新しいことに挑戦していく元気ももらっています」(山内浩司)

 《目標額》 800万円

 《特典例》 支援は3千円から。カメジロー名言入りクリアファイルのほか、著書や映画DVDなどがついたコース(5千~5万円)も。http://t.asahi.com/whre別ウインドウで開きます

 ◆注目の案件

 ■「YS-11」量産初号機公開プロジェクト

 戦後復興の象徴的な機体を、一般公開する準備を進めてきた国立科学博物館。入館者が激減し、資金不足に陥っています。

 http://t.asahi.com/whrf別ウインドウで開きます

 ■再開目指すポップサーカス

 日本有数のサーカス団が2月末から休演し、栃木で身動きできなくなっています。再開の日に備えて支援を募っています。

 http://t.asahi.com/whrg別ウインドウで開きます

 ◇支援はクレジットカード、銀行、コンビニでの決済のほか、現金書留(5千円以上)も受け付けています。問い合わせは電話03・6869・9001(平日午前10時~午後5時)。