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 プラスチックごみの問題を解決するには、何よりもその生産と使用を大幅に減らす社会に変えていかねばならない――。

 世界自然保護基金(WWF)ジャパンやグリーンピース・ジャパン、日本自然保護協会など環境問題に取り組む20団体が、そんな提言書を小泉進次郎環境相らにあてて出した。

 もっともな指摘である。政府はしっかり耳を傾け、今後の政策づくりに反映させるべきだ。

 提言書は、政府が先月とりまとめた「今後のプラ資源循環施策の基本的方向性」に注文をつける形をとっている。政府も「削減の徹底」をうたってはいるが、実際は「代替素材の利用促進」と「リサイクルの推進」に頼りすぎていると批判。肝心要の総量削減に向けて、実効性ある施策を早期に打ち出すことなどを求めた。

 20年前に施行された循環型社会形成推進基本法は、環境への負荷を抑えるには、廃棄物の発生の抑制に努めることを最も優先すべきだという考えを打ち出している。今回の提言書はこの基本に立ち返ることを訴えており、説得力がある。

 提言書によると、日本の廃プラは年間890万トンを超え、8割以上が焼却、埋め立て、海外への輸出で処理されている。形態別では、使い捨てが多い容器包装・コンテナ類が全体のほぼ半分を占めるという。

 焼却すれば二酸化炭素が発生するし、埋め立ては用地が逼迫(ひっぱく)している。近年は輸出も難しくなっており、「削減」をめざすのは自明の理だ。自然由来の素材にかえる「代替」は対策の一つではあるが、森林伐採などの新たな環境問題を引き起こす恐れをはらむことに留意しなければならない。

 政府は年度内をめどに具体的な施策を検討する。今夏からレジ袋が有料化されて人々の行動様式も変わりつつあるが、その量はプラごみ全体の数%でしかなく、さらに踏み込んだ対応が求められる。

 いうまでもなく問題解決には社会全体の取り組みが欠かせない。生産から回収・再使用・リサイクルまで事業者に全責任を負わせる制度や、使用量を抑える仕組みの導入を考えるべきだ。容器包装・トレー類の脱プラ化や商品の量り売り・ばら売りが、製造や小売りなどの現場で広がるといい。消費者の意識改革も必要となろう。

 プラごみの削減は、地球温暖化の抑制や生物多様性の保全など、地球規模のさまざまな課題の解決にも役立つ。日本は1人あたりの使い捨てプラごみの排出が米国に次いで多い「プラ大国」だ。率先して削減に努め、世界に貢献する責務がある。