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 中国との健全な関係づくりは、日本の針路を左右する重要な作業である。平和と繁栄を共有できる環境をめざし、率直な対話を深めていきたい。

 中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相が来日し、菅首相や茂木外相と会談した。菅政権の発足後、中国高官による初の訪問である。

 両政府は、ビジネス関係者の往来を月内に再開させることで合意した。コロナ対策で連携し、気候変動問題での意思疎通も強めるという。

 中国側は、この時期の訪問にこだわった。米国の政権交代を前に、日本との接近を図っておきたかったようだ。菅政権も、手堅い外交を演出したい思惑があったのだろう。

 国際社会が案じる米中対立の行方は見えていない。米国のバイデン次期政権は、トランプ政権にくらべれば穏健な外交になりそうだが、どう変化するかは未知数だ。

 日本としては、米次期政権の今後の政策形成を注視しつつ、中国や韓国などとの関係安定化の道筋を主体的に考え、取り組んでいく必要がある。

 日本にとって中国は最大の貿易相手だ。今回、往来再開の合意は互恵の関係を強調する狙いだろうが、中国側のコロナ問題をめぐる情報開示をしっかりと求めるのは当然のことだ。

 今月、日中を含めた15カ国がRCEPと呼ばれる東アジアの貿易協定に合意した。撤廃される障壁はまだ不十分とはいえ、自由貿易を進める方針では日中は協働の幅を広げられる。

 日本は中国にさらなる市場開放と公正なルール適用を求めながら、同盟国である米国に対しても自由貿易の原則に立ち返るよう説得するべきだろう。

 一方、中国には厳格な姿勢で臨むべき問題はなお多い。

 今回、日本が尖閣諸島問題で懸念を示したのに対し、王氏は「日本漁船が頻繁に敏感な海域に入っている」と反論した。中国公船による活動は活発に続いており、南シナ海でも周辺国との摩擦を強めている。

 どこであれ、力による一方的な現状変更は許されない。「法の支配」の尊重を、日本は明確に求めていかねばならない。

 香港では「一国二制度」を壊す強権行為がくり返され、新疆の少数民族らへの深刻な人権侵害も伝えられている。

 習近平(シーチンピン)国家主席の国賓訪日がかねて検討されているが、残念ながら現状は、習氏を日本国民がわだかまりなく歓迎できる環境とはいえない。

 日本と周辺国への脅威を高める行為や人権侵害に対し、日本の世論は厳しい視線を注いでいる。その現実を、菅政権は粘り強く主張していくべきだ。

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