つなげたい、広げたい 朝日新聞社のクラウドファンディング「A-port」
朝日新聞社が運営するクラウドファンディング「A-port」(エーポート、https://a-port.asahi.com/)から、注目のプロジェクトを紹介します。
■住宅街の交流拠点、軌跡を本に 横浜の「さくら茶屋にししば」、子育て世代・高齢者支え10年
横浜の住宅街に生まれた「さくら茶屋にししば」は、コミュニティーカフェのモデルケースとして全国から注目される存在だ。開設から10年、地域に暮らす普通の熟年世代が、いかにして街を元気にする居場所を作り上げたのか。そのノウハウと軌跡をまとめた本をつくるため支援を募っている。
横浜市金沢区の西柴団地は昭和40年代から開発された約1800世帯が暮らす分譲住宅地。自然と文化あふれるニュータウンは高度経済成長期に人気を集めた。しかし、造成から半世紀近くが過ぎ、65歳以上の世帯が4割を占めるなど高齢化が進む。商店街も空き店舗が目立ち、コンビニもスーパーもないなど、日々の暮らしや人々のつながりに様々な影響が出てきた。
小学校教員を定年退職後、福祉ボランティアとしてお茶会などを開いていた岡本溢子(いつこ)さん(77)=NPO法人「さくら茶屋にししば」理事長=は、地域が抱える問題を前に、「月に1、2回のイベントではなく、誰でも、いつでも気軽に集まって食事やおしゃべりができる居場所ができれば、街が元気になるのでは」と考えた。
仲間を募ってプランを練り、横浜市のまちづくり助成事業に応募し500万円の助成金を獲得。ボランティアスタッフがランチを提供する「さくら茶屋にししば」を2010年5月にオープンした。
地元の漁港でとれる穴子を使った天丼など、安くておいしい日替わりランチは評判を呼び、13年には2号店「さくらカフェ」もオープン。近隣のマンションに住む子育て世代も参加し、世代を越えて交流する拠点づくりを目指してきた。認知症カフェや趣味の教室、買い物代行、子ども向けハロウィーンなど、利用者のニーズに応えるサービスや行事は20ほどになった。
支えるボランティアは原則週1回、「無理をしない」が合言葉。現在は平均年齢65歳の約80人が参加する。「自分の経験や時間、得意なことを提供することで、利用者に喜んでもらえれば、自信が生まれ、元気になれる」と岡本さん。
「郵便ポストのように、歩いていける範囲に居場所があれば、地域の課題解決にもつながる。私たちの経験もヒントに全国に広がってほしい」と願っている。(山内浩司)
《目標額》 100万円
《特典例》 支援は千円から。完成本『さくら茶屋物語』巻末に名前掲載(3万円)など。
■ヴィーガン、クッキーで身近に
肉や魚だけでなく乳製品や卵、白砂糖も一切使わないヴィーガン(完全菜食主義)料理。禁欲的なイメージが強いが、もっと気軽に楽しんでもらおうと、「ドッツウィル」(東京・南青山)が3種類のクッキーを考案した。8年間の長期保存が可能な容器を採用するなど、災害時もおいしく、安心して食べられるよう工夫している。
代表の川村明子さん(52)らは都内で20年間、ヴィーガンの草分け的存在とされるカフェやレストランなどを経営。アレルギーや宗教上のタブーなどの制約を越えて、多くの人が楽しめるヴィーガンの長所を広めるため、スイーツ事業を立ち上げた。クッキーは風味や食感が異なる3種類。高い栄養価と有機素材にこだわり、2種類は米粉ベースのグルテンフリー(小麦粉など不使用)だ。
プロジェクトには、途上国や被災地で医療活動を続けるNPO法人「ジャパンハート」創立者の医師・吉岡秀人さんらも参加。売り上げの3%は、小児がんの子が家族旅行の夢をかなえるための、同NPOの活動に寄付する。川村さんは「自分や家族のために買ったお菓子が無意識のうちに誰かのサポートにつながっていく仕組みを根付かせたい」と話している。(奈良有祐)
《目標額》 100万円
《特典例》 6千円でクッキー3種類のセット。支援全額を病児支援に回す500円のコースも。
■藤川投手へ感謝の新聞広告
「火の玉ストレート」で一時代を築き、今季で現役を引退したプロ野球・阪神タイガースの藤川球児投手に感謝の気持ちを届けようと、ファン有志が新聞広告を出すプロジェクトに取り組んでいる。藤川投手の背番号22にあわせ、12月22日の朝日新聞に掲載予定。
《目標額》 500万円
《特典例》 感謝広告に名前掲載(ニックネーム可)。3千円で8文字まで、5千円で20文字まで掲載可能。
◇支援はクレジットカード、銀行、コンビニでの決済のほか、現金書留(5千円以上)も受け付けています。問い合わせは電話03・6869・9001(平日午前10時~午後5時)。
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