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 原発の使用済み核燃料を最長50年にわたり保管する中間貯蔵施設「リサイクル燃料備蓄センター」(青森県むつ市)を電力各社が共同利用する――。大手電力10社でつくる電気事業連合会が新たな方針を発表した。

 また、使用済み燃料から取り出したプルトニウムを原発で再利用するプルサーマルも、目標を下方修正して着実に進める姿勢を改めて示した。

 国と業界がもたれあい、「核燃料サイクル政策」の破綻(はたん)から目をそらす。そんな無責任な状態を、いつまで続けるのか。

 政府は長年、核燃料サイクルを国策として推進してきた。建設中の再処理工場(青森県六ケ所村)で使用済み燃料からプルトニウムを抽出し、再び発電に使う政策だ。

 だが、再処理工場は相次ぐトラブルで完成が20年以上も遅れている。全国の原発には使用済み燃料がたまり続けており、満杯になれば運転できなくなる。窮余の策として浮上したのが一時的な中間貯蔵である。

 今回、東京電力と日本原子力発電の備蓄センターを共同利用する案が出てきた背景には、関西電力を支援する狙いがある。運転40年超の関電の老朽原発の再稼働を判断する前提として、立地する福井県が県外の中間貯蔵場所を年内に示すよう求めているが、候補地の選定が難航しているのだ。

 中間貯蔵施設を共同利用できれば、老朽原発の再稼働や使用済み燃料の保管場所の確保につながる。とはいえ、それらは小手先の取り繕いにすぎず、核燃料サイクルの行き詰まりを解消することはできない。

 プルトニウム利用の本命だった高速炉の開発は、原型炉もんじゅの廃炉で頓挫した。原発再稼働が限られ、プルサーマルの導入も現在4基にとどまる。今回、目標を従来の「16~18基」から「12基」に下げたが、実施のメドがあるわけではなく、再処理工場をフル稼働させた時に抽出されるプルトニウムの量から逆算した数字だ。

 政府は国内外にもつ多量のプルトニウムの減量を国際公約にしており、使うあてがなければ再処理工場は動かせない。

 いま求められるのは、核燃料サイクルの破綻を認め、国策からの撤退に取りかかることだ。

 そもそも原発は、中長期的にコスト面で再生可能エネルギーに太刀打ちできず、新規立地も難しいため将来的には先細りしていく。さらにコストをかけて使用済み燃料を再処理する核燃料サイクルに理はない。

 原子力から再エネに投資を振り向け、脱炭素時代の新たな産業を育てていく。それが日本の進むべき道である。

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