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 政府が首都圏1都3県を対象に、新型コロナ対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言を週内にも再び発出する見通しとなった。きのう菅首相が表明した。

 首相は宣言に一貫して消極的だったが、感染拡大に歯止めがかからず、今月2日の4知事の要請を受けて方針を転換した。

 大みそかに1千人超の感染者が確認された東京都をはじめ、首都圏では検査した人の陽性率が軒並み10%に達している。これは、政府の分科会が定めた4段階の警戒レベルのうち、「緊急事態宣言を検討せざるを得ない」というステージ4に該当する。すでに医療現場の一部では機能不全が起きており、要請されるまでもなく、より強い対策を講じるべき段階だ。

 昨年11月上旬に「第3波」の到来を指摘されながらGoTo事業の継続に執着するなど、政府の対応は後手後手に回った。

 それは各知事も同様だ。分科会が再三にわたり、感染抑止の「急所」として飲食店などに営業時間の短縮を要請するよう提言したにもかかわらず、小池百合子都知事らは応じなかった。政府・自治体双方の甘い認識が、この状況を招いた一因であるのは間違いない。

 準備不足も否めない。

 安倍、菅両政権は昨年5月に最初の宣言を解除した後も、政策の検証や特措法が抱える課題の整理をしてこなかった。社説はその必要性を指摘したが、政府は動こうとせず、野党が先の臨時国会に提出した特措法の改正案も審議しなかった。

 そして今になって、時短や休業の要請を実効あるものにするために法改正をする必要があると言い出した。18日召集予定の通常国会での早期成立をめざすという。要請に応じた事業者への財政支援の明確化などに異論はないが、従わなかった場合に罰則を科すことの是非やその内容など賛否の分かれる論点もある。拙速に流れず、開かれた場での丁寧な議論が必要だ。

 宣言発出に向けて政府は現行法の下で、飲食を介した感染防止を中心に対策の詳細や期間を詰めるようだ。効果が上がらなかった場合、次にいかなる手を打つか。解除に向けた出口戦略をどう描くか。指標で示せるところは極力そうするなどして全体像をわかりやすく打ち出し、情報を随時公開する。そうした姿勢が施策への信頼感を高め、協力の機運にもつながる。

 昨春以来何度も見せつけられてきた、政府と自治体、とりわけ小池知事との間の責任の押し付け合いや確執に終止符を打つ時でもある。それらがいかに不安と失望を増大させたか。政治指導者としての資質が問われる局面だと肝に銘ずべきだ。

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