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 緊急事態宣言が出たって、やるしかない。受験は自分との戦いだから。

 小中学校時代は人間関係を構築するのが苦手で、いじめやいじりを受けていました。学校も楽しくなく、中学では1日6時間ぐらいゲームしてましたね。

 私立の中高一貫校に入ったんですが、中2の三者面談で「今のままでは高校には上げられない」と、説教されました。僕には勉強が「作業」になっていたんです。授業中も先生が黒板に書いたものを丸写しするだけ。机に向かっていましたが、気持ちは入っていませんでした。

 中3の担任が向き合ってくれました。幼稚園の時はまだ、なりたい自分がいた。でも、小中学校になったら、「どうせなれません」という1本の線が僕の周りを囲んで、それがどんどん近づいてきた。でも、先生は「その線を超えたら見えてくる世界は変わる。勉強は頑張っただけついてくる。お前、東大へ行け!」って言ったんです。「えっ、俺、学年ビリに近いんですよ」って。

 その先生に半分だまされたように、高2からガーッと勉強して。ところが、高3の最初の模試は偏差値35。英語の偏差値は27でした。現役でも1浪でも東大は落ちて、崖っぷちの状況で考えた「思考法」で、偏差値70に。東大模試で4位になり、2浪で合格を果たしました。

 もちろん、不合格だった時は、かなり参りましたよ。でも、かつての自分のように「俺には無理」という線の中には、もういたくなかった。

 僕は、受験ってスポーツだと思うんです。途中でラケットを置くのも失礼だし、きちんと最後まで戦って、負ける時もきちんと負ける。本気で挑んだ人は勝とうが負けようが、得られるものはある。「前はゲームに負けてもヘラヘラしてたけど、今は悔しそうにしているよね」と友達に言われます。やっと自分の人生の物語の主人公になれた。

 東大はそれほどバラ色の世界ではなかったけれど、僕が得たかったのは「東大合格」ではなく、自分を変えることだったから、絶望や空虚は感じなかった。

 あと、応援してくれる家族の存在をないがしろにしちゃいけない。僕も2浪の時の合格発表前日にやっと、父のありがたみがわかった。「ありがとう」を知っている受験生は強い。ちゃんと戦って、自分の線を乗り越えて、前に進みましょう。(聞き手・宮坂麻子)

 ■私の勝負飯「もち生地ジャガイモピザ」 腹もち抜群

 「勉強はわからないけど料理は」と言う母が、ジャガイモとピザ好きの僕のために作ってくれた。現役、1浪、2浪とも入試当日の朝飯はこれ。もちを広げ、ジャガイモとチーズとケチャップをのせて、腹もち抜群です。

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 にしおか・いっせい 1996年生まれ。2浪して東大文科二類に合格。経済学部に在籍しつつ、「『考える技術』と『地頭力』がいっきに身につく東大思考」など多数出版。YouTubeチャンネルで「スマホ学園」も運営する。

 ◇朝日新聞デジタルの受験特集ページはこちらから。https://www.asahi.com/edu/center-exam/

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