(受験する君へ)奨学金いろいろ、諦めないで 信州大2年・山田光花莉さん

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 奨学金に支えられて学生生活を送る大学生の割合はいま、半数近くにのぼる。2割ほどだった1990年代と比べ、倍増している。信州大学繊維学部2年生の山田光花莉(ひかり)さん(21)もそのひとりだ。

 長野県松本市で生まれ育ち、母と祖母との3人暮らし。母はフリーランスの通訳だが、障害があり、思うように働けない。学費がかかる理系志望だったので「進学で家族に負担をかけたくない」との思いは強かった。

 高校の同級生の多くは、首都圏を中心に全国の大学への進学をめざしていたが、自身は県内の国立大学に照準を絞った。自宅から通えて学費も私立より安いからだ。

 一般入試に合格して大学に入った後、二つの奨学金を利用している。一つは親を亡くしていたり、親に障害があったりする学生を支援する「あしなが育英会」のもの。貸与型と返還不要の給付型を組み合わせている。

 もう一つは、トヨタ自動車グループが理系の女子学生を対象に支給しているもので、卒業後にグループに入社できれば、返済が免除される。入社できなくても製造業に就職すれば、返済は半額で済む。

 「奨学金のおかげで納得いく大学生活を送れている」と話す。学費と生活費のためのアルバイトに追われず、興味のある勉強に十分な時間を割くことができているという。

 専攻は感性工学。人の心の動きを研究し、多くの人に喜んでもらえる製品を世に出すのが将来の目標だ。心地よく座れる椅子やスタイルよく見える服などを開発したいと考えている。

 分野としては理系だが、文系の素養も求められる。このため、ほかの学部の授業も卒業単位に算入できるしくみをいかし、人文学部のフランス語や教育学部の美術デザインの授業も受けている。

 高校までの受験中心の勉強と違い、興味のある分野を深めていけるのが楽しい。信州大学の学生の7割が長野県外の出身者で、友人の幅も広がった。「家計が厳しくても、探せば、いろいろな奨学金がある。進学を諦めないでほしい」土屋亮

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