(社説)宣言再延長 確実に抑え込む期間に

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 首都圏4都県で続く緊急事態宣言が、21日までさらに2週間延長されることになった。

 あす7日での解除を何度も口にしながら、その約束を果たせなかった菅首相の政治責任は重い。だが客観的に見て延長自体はやむを得ないといえよう。飲食店など苦境を強いられる人々への一層の支援が必要なのは、改めて指摘するまでもない。

 1月の宣言発出後、感染者数は比較的順調に減少してきたものの、東京都でいえば第3波が始まった昨年11月半ばの水準に戻ったに過ぎない。最近は下げ止まりの傾向にあり、いま解除すれば、再燃する恐れが極めて高い。加えて感染力が強いといわれる変異ウイルスも広がりを見せている。経済への影響を考えても、4度目の流行を招かないことが何より大切だ。

 とはいえ、2週間後の収束が見えているわけではない。むしろ一部の専門家からは延長幅への疑問の声も聞かれる。

 感染者数はなぜ減少傾向から横ばいになってしまったのか。壁を突破するためにどんな措置が求められるのか。政府・自治体は検討を急ぎ、順次実行に移していく必要がある。

 国内でもワクチンの接種が始まった。政府の方針が揺れ、スケジュールが定まらないのは心配だが、軌道に乗れば流行を制御できる希望が見える。それまでの間、感染を抑え込み、医療崩壊を招かないようにするのが今の政治の最大の課題だ。

 回復したコロナ患者を別の病院に移して病床を確保するなど、医療機関相互の役割分担と連携強化の取り組みを引き続き進めてもらいたい。医療現場に重い負荷がかかったままでは、この先のワクチン接種も順調に進められない。

 厚労省に助言する専門家組織の分析では、首都圏では発生源がよくわからない集団感染が目立つという。感染者の急増で一時縮小を余儀なくされた疫学調査の態勢を立て直し、感染源の特定に努めてほしい。

 あわせて、クラスターが多発している高齢者施設や病院での定期的な検査に加え、感染リスクが高いとされる場所や集団を対象とする検査も速やかに実行に移すべきだ。次の流行の兆しをつかむことにもつながる。

 大阪など6府県の動向も気かがりだ。先月末の宣言解除後、感染者が順調に減っているとは言えないところもある。再拡大への警戒を怠ってはならない。

 卒業、転勤などで人の移動や会食の機会が増える季節だ。疲弊する一方で「慣れ」が社会を覆うなか、市民に届くメッセージを発してさらなる理解と協力を取りつける。それが首相、知事ら政治指導者の責務だ。