(社説)こどもの日に 校則見直しが問うもの

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 今の校則におかしな点はないか。あるのなら、どうしたらいいかを皆で考え、話し合い、納得できるものに変えよう――。

 そんな動きが広がる。子どもたちの発案で始まったものもあれば、教育委員会や学校が主導したものもある。

 きっかけはどうあれ、一番身近なルールを素材に、自分たちで「やめる」「続ける」「新たなものをつくる」を決める営みは、将来の社会の担い手を大きく成長させるに違いない。

 子どもたちの主体性を引き出し、見守り、助言する。きょう「こどもの日」は、そんな大人の役割について、大人自身が考える日でもある。

 中学、高校の厳格な校則の多くは、校内暴力が激しかった40年ほど前に作られた。「頭髪・服装の乱れは心の乱れ」ととらえ、髪形から下着の色まで細かく定めるものが生まれた。

 生活指導に熱心な学校、イコール安心して子どもを預けられる学校。そう考える保護者が多く、学校選択制の導入に伴う競争の激化も、厳しい校則を是とする傾向に拍車をかけた。

 これを見直すひとつの契機になったのが、17年に提起された大阪府立高校の頭髪指導をめぐる裁判だ。ゆきすぎと思われる校則が各地にあることに、改めて注目が集まった。

 ある学校は白色の靴下を強制し、別の学校は厳に禁じる。所定の色や柄に反するという理由で下着を脱がせる。染髪していないことを証明させるため、事前に地毛の色を申告させる。そんな理不尽で、人権を侵害するようなことが行われてきた。

 社会の常識と校則とのズレをどうやって解消するか。

 岩手県立大槌高校や広島市の安田女子中学高校は、認定NPO法人カタリバの支援を得ながら生徒と教員らが議論を重ね、靴下の色や学校へのスマホの持ち込みに関する決まりを改めた。生徒は行動が目に見える結果につながったことを喜び、教員もまた、自分の考えを堂々と主張するようになった生徒の姿に手応えを感じたという。

 だが直ちに動けないところも多い。そこで佐賀県では県教委が音頭をとって、下着や地毛証明に関する県立学校の校則を改正。熊本市教委は関連する規則を変更したうえで、今年度から小学校をふくむ全ての市立学校で、子どもたちも参加して校則を見直す作業を始めた。

 政策に若者の声を反映させることをめざす日本若者協議会は、学校の運営にも子どもを積極的に関与させるよう求めている。主権者教育を重視する文部科学省に異論はなかろう。現場が取り組みやすい環境を整え、その背を押してもらいたい。