(EYE モニターの目)今月のテーマ:大雨災害・土砂災害の報道

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 ■日頃の備え、どう情報収集

 土石流発生時は熱海市の避難指示は出ておらず、現場は、国土交通省が2018年に乗り出した大規模盛り土造成地の調査対象にも入っていなかった。毎年のように大災害が発生している。行政任せではなく、大規模盛り土造成地が居住地域のどこにあるかなど、自分たちで身を守るために日頃から情報を集めることが必要だ。紙面でも、どこに大規模盛り土造成地や土砂災害警戒区域があるかを知る方法を図表なども交えて詳しく紹介してもらえるとよかった。(浜田慶子 40歳 長崎県)

 ■デジタルならではの試み

 7月11日付朝刊1面「続く警戒 復旧阻む」は、土石流の発生前後を空撮した二つの合成写真が大きく載っていて、見出しにある「警戒 復旧」よりも、大雨による地形の急変のほうが印象に残った。一方で、紙面のQRコードから朝日新聞デジタルの特集ページに飛べる仕組みが興味深かった。特に、先の空撮写真を重ね合わせて比較できる試みは、デジタルならではで、変化が非常にわかりやすい。「現場付近の雨量」のグラフも参考になった。(上田萌加 20歳 東京都)

 ■防災計画に地元の声は

 熱海の土石流は人災の側面も強そうで、今までどんな対策が取られてきたかの検討が必要だ。避難指示についても、傾斜地という地理的条件や住民構成など地域の実情を踏まえた判断が求められたように思う。防災計画には、不安や問題点の指摘など地元の声がどのように反映されてきたのか。災害は、高齢者が多く、交通手段の限られた地域で発生することが少なくない。よけいにきめ細かい対策が重要だ。具体的に何が必要か、掘り下げてほしい。(田村泰志 65歳 愛知県)

 <原因・備え・避難…様々な観点から>

 静岡県熱海市で起きた土石流は死者が20人を超え、甚大な豪雨災害となりました。直後から、現地や社会部を中心に多くの記者が被災地に入り、取材にあたりました。こうした中、被害を甚大化した可能性が指摘されたのが土石流の起点付近にあった「盛り土」の存在でした。

 数日後には、造成した業者が法令違反を重ねていたことや、盛り土の高さが県条例に基づく基準の3倍超だった可能性があることが判明しました。まさに「人災」が疑われています。

 原因に迫るべく、取材班では「いつ基準超の盛り土が造成され、行政はいつ把握したのか」といった点を詰めようと話し合い、11年前から基準超の盛り土が造成されていた可能性を指摘する写真や、当時の市幹部がこれを把握していたとの証言を独自に報じました。

 避難情報をめぐる問題も重要です。発災の前に「土砂災害警戒情報」が出ていましたが、「避難指示」は出ていませんでした。「身を守るために日頃から情報を集めることが必要」というご意見に思いをいたし、デジタルでの見せ方にも工夫し、様々な観点からの災害報道に力を入れていきます。(社会部次長・佐々木隆広)

 ■紙面モニターになりませんか デジタル会員にご登録を

 朝日新聞社は読者のみなさまの声を紙面づくりに生かすため、「紙面モニター」を募集します。

 新聞記事に関するアンケートに、2週間に1回、パソコンからインターネットを通じてお答えいただきます。今回は第32期で、約200人を募集します。任期は10月から半年間。謝礼として回答1回につき1500円分の図書カードを任期終了時にまとめて進呈します。

 ▽応募方法 朝日新聞デジタルの紙面モニター応募用画面( http://t.asahi.com/shimen別ウインドウで開きます )から=QRコード。多数の場合は選考します。

 応募にあたって、朝日新聞デジタルへの会員登録(有料会員または無料会員)をお願いします。朝日新聞デジタルのトップページ(https://www.asahi.com)から申し込みをしてください。家族の方が既に会員の場合でも、紙面モニターに応募するご本人が会員になってください。現在の第31期モニターの方は応募できません。

 ▽締め切り 8月30日(月)

 ◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています。

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 公募で選んだ読者の皆様に「紙面モニター」をお願いし、毎週、お寄せいただく意見の一部を紹介します。この欄は、編集現場との「対話」の場を目指しています。紙面モニターの意見に対し、編集局などの担当部署の責任者が答えます。

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