(社説)町田小6自殺 端末の使い方 再確認を

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 東京都町田市の小学6年の女子児童が昨年11月、同級生からいじめを受けたという内容の遺書を残して命を絶った。市教育委員会は常設の第三者委員会で、いじめの実態や自死との因果関係などを調べている。

 亡くなる2カ月前に学校は校内アンケートでトラブルを把握し、関係する児童を指導して経過を見ていたという。当時の措置に問題はないか。女児の両親への説明を含め、事後の対応は適切だったか。第三者委の徹底した検証が待たれる。

 いじめの根絶は遠い。北海道旭川市で3月に死亡した女子中学生の遺族も、いじめを受けたと主張。第三者委が調査中だ。

 どんな調査・検証も公平中立でなければならないが、遺族が学校や教委に不信をもつ例が少なくない。町田市の女児の両親も市教委に心ない対応を受けたと訴えている。遺族が推す人を第三者委に入れるなどして納得性を高める必要がある。教訓を導き出し再発防止を図るうえでも、不可欠の取り組みだ。

 今回の事件では、女児の「ころしかた」を図示したノートが見つかり、あわせて、市教委が配ったタブレット端末がいじめに使われた疑いが指摘されている。複数の児童がチャット機能を利用した悪口の書き込みがあったと話し、市教委は端末の履歴を調べている。

 せっかくの学習機材が子どもを死に追いやる道具になったとすれば、衝撃は大きい。

 情報化の流れを踏まえ、またコロナ禍で休校になっても勉強を続ける手段になるとして、文部科学省は全国の小中学生に端末の配備を進めてきた。一方で悪用を懸念する声もあり、同省は全国の教委などに取り扱い上の注意点を伝えている。

 女児が亡くなった当時の校長は、書き込みには教員が目を光らせていたとしつつ「万全ではなかった」とも述べ、悪口を見逃した可能性を認めている。端末のフィルタリング設定や子どもたちの使用方法、学校のチェック体制なども、第三者委が究明すべき重要な論点だ。

 端末の機能を制限している学校は多いが、対面で意見を言うのが苦手な子も気軽に発言できるとして、活用しているところもある。教員がこまめに書き込み内容を点検したり、書き込みは教員が一緒にいるときに限るという条件をつけたりして、リスクを減らす方法はある。

 ただ多くの子がスマホをもつ現在、配られた端末の使い方だけを問題にしても真の解決にならない。学校、教委、保護者、そして子ども自身も参加して、SNSとどのように付き合うべきかを議論し、ルールを決め、実践していく必要がある。