(Media Times)結婚報道、私生活を追う意味は 週刊誌「小室さん、高い公人性」「国民的関心」

 秋篠宮家の眞子さまと小室圭さんの結婚をめぐって週刊誌の報道が過熱している。小室家の私生活に踏み込み、バッシングととれる報道もあった。なぜ過熱したのか。問題は無いのか。赤田康和、杉浦達朗、貞国聖子)

 2人の交際が明らかになった2017年春以降、女性週刊誌3誌は関連記事を数多く掲載してきた。

 同年12月、「週刊女性」が小室さんの母・佳代さんが元婚約者から受け取った計400万円をめぐって対立が生じていると報道。その後、各誌で、この金銭トラブルの報道のほか、小室さん親子の私生活の暴露や親子への非難ともとれる報道が目立つようになった。

 「女性セブン」は19年、当時、米国留学中だった小室さんの「金銭面の不安」を指摘し、「セレブニート生活」と報道。「女性自身」は20年、佳代さんの指輪やクリスマスイブの行動を報じ、「金満潜伏を支える『恋人の存在』」と見出しに掲げた。「週刊女性」は今年、小室さんが公表した金銭トラブルの説明文書を「マザコン白書」と酷評した。

 一般週刊誌では「週刊新潮」と「週刊文春」が小室さん関連の記事を多く載せてきた。「週刊新潮」は「小室圭さん虚飾の全記録」と特集。「週刊文春」は小室さんがインターナショナルスクール時代に同級生をいじめていたと報じた。

 各誌はなぜ力を入れるのか。「週刊新潮」の宮本太一編集長は取材に「お二人のご結婚は注目される国民的イベント。タブーなしに国民の関心事に切り込むのは我々、週刊誌ジャーナリズムの重要な仕事」と強調。「小室さんが将来の天皇の義理の兄としてふさわしい方なのか、読者には懸念を抱く人が多く、我々の報道に対しても批判より賛同の声が多い」と話す。

 「週刊文春」の加藤晃彦編集長も「小室さんは公人性が極めて高く、どんな方なのか、伝える意義は大きい」と指摘。「不利益な過去の問題を報じる際も、当事者の証言や証拠となる音声やメールなど事実に基づいて報道している」と話した。

 女性誌3誌は取材に応じなかった。

 ■「批判記事売れる」報道過熱

 なぜここまで報道が過熱したのか。ある週刊誌の編集者は「小室さん親子に関する特集を載せた号はよく売れる。特に『疑惑』など批判的な記事が載った号はいい」と話す。

 宮内庁の対応も影響したとみる向きがある。同庁は皇室報道で虚偽や誤認があると判断した場合、出版社への抗議や公式サイトで問題点の指摘をしてきたが、小室さん親子に関する報道は事実上静観してきた。「民間人であり、報道内容について宮内庁が真偽を調べることは難しく、コメントする立場にない」(関係者)というスタンスだ。

 週刊誌の記事はヤフーニュースに転載され、コメント欄に投稿が集まった。目立つのは結婚への反対や、結婚時に支給される予定だった一時金など税金が使われることへの批判だ。同庁は今月1日、眞子さまが複雑性PTSD心的外傷後ストレス障害)と診断されたと公表。記者会見に同席した医師は「誹謗(ひぼう)中傷と感じる出来事」に「週刊誌報道」と「ネット上のコメント」が含まれると述べた。

 1993年、皇后美智子さま(当時)は自身へのバッシング報道が続く中で倒れ、声が出なくなった。当時を知る関係者は「根拠不明の情報が確定した事実のように大量に流通し、目にした人から批判の声が届くのは当時と同じ構図だ。今はSNSなどで拡散されて誤認が広まりやすい分、より危機的だ」と話す。

 ■朝日新聞出版は

 朝日新聞出版の週刊誌なども報じてきた。編集方針はどうだったのか。

 「週刊朝日」は小室さんについて女性を魅了する「ヤバめの男」の空気があると評するジャーナリストの記事などを掲載。渡部薫編集長は「真実を伝える公益性と報道される側の人権の保護を検討し、私人につきまとったりメディアスクラムに加担したりしないよう配慮している」とした。

 「AERA」は「(小室さんの公表)文書から透けて見えるのは昭和的な野望と高いプライド」とする記事などを掲載。片桐圭子編集長は「皇族の結婚相手と家族であっても一般市民でプライバシーへの配慮が必要」とした。

 サイト「AERA dot.(アエラドット)」は結婚についてネット上でアンケートをし、何度でも回答できる形で集計。「祝福する気持ちがない」が大半を占めたと紹介した。

 森下香枝編集長は「社会の関心が高く、皇族の結婚という公益性のあるテーマゆえに、誹謗(ひぼう)中傷ではない意見や感想は紹介している」と説明した。

 ■「限度超えた論評、違法にも」

 曽我部真裕・京都大教授(憲法・情報法)の話 皇族の結婚相手に一定の条件が求められると考える国民がいることは否定できない。金銭トラブルなど過去の問題は、この条件に関わるテーマで、報じることに一定の公共性があるといわざるをえない。

 ただ、一連の報道には、小室さんを「ジゴロ」「世間が嫌悪を催した青年」、佳代さんを「嘘(うそ)と見栄(みえ)」と評するなど悪意があるとしか思えない表現が散見される。公共性のあるテーマに関する記事でも限度を超えた論評は違法となりえる。小室さんが訴訟を起こせばかえって世間の反発を呼ぶ恐れがあり、批判的な報道は相手が反論できない中でされている面がある。その点に大きな問題がある。

 ■眞子さまと小室圭さんの結婚をめぐる経緯

<2017年9月> 2人が婚約内定の記者会見

<12月> 週刊誌が小室さんの母佳代さんと元婚約者の「金銭トラブル」を報じる

<18年2月> 宮内庁が結納にあたる「納采(のうさい)の儀」と結婚式の延期を発表

<11月> 秋篠宮さまが会見で「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ納采の儀を行うことはできない」と発言

<20年11月> 宮内庁、眞子さまが記した「お気持ち」を文書で公表

<21年4月> 小室さんが金銭トラブルの経緯を説明する28枚の文書を公表

<10月> 宮内庁が2人の結婚を発表。眞子さまが複雑性PTSDと診断されていたと明かす

     *

 Media Times(メディアタイムズ)