歌う、2年分の思い込めて 第74回全日本合唱コンクール全国大会=訂正・おわびあり

[PR]

 「全国大会の歌声」が再びホールに帰ってきます。第74回全日本合唱コンクール全国大会(全日本合唱連盟、朝日新聞社主催)は30、31日、大分市での中学校・高校部門で幕を開けます。コロナ禍で昨年の大会が中止となり、2年ぶりの開催。今年は新たに、オンラインによるライブ配信も実施します。コロナ禍を乗り越えて晴れのステージに立つ4団体を紹介します。

 ■音楽への愛、消さない マトリカリアコール(大分)

 新型コロナの感染拡大が続く今年1月、大分市に学生や社会人が中心の合唱団が立ち上がった。団体名は「マトリカリアコール」。マトリカリアはキク科の花で花言葉は「集う喜び」。音楽を愛する多くの人が、コロナ禍に活動の場を奪われている現状を克服する願いが込められている。

 主宰は声楽家の新見準平さん(36)とピアニストの後藤秀樹さん(40)。新見さんは、「大分には学生や社会人が集う合唱団がなかった。このままでは大分から合唱の火が消えてしまうと思った」。危機感が新団体の結成につながった。

 団員は18~35歳の25人。結成以来ずっと「密」を避け、マスクを着けての練習が続くが、若さを前面に出した情熱的な演奏を磨いて全国出場をつかんだ。新見さんは「初出場で全国大会は思ってもいなかった。みんなで楽しみながら歌いたい」と意気込みを語った。

 (倉富竜太)

 ■22年ぶりの「混声で」 神戸高(兵庫)

 混声では22年ぶりの全国大会出場となる。とりわけ男性の卒業生から多くの喜びの声が届く。

 男子部員がいない時期が続いたが、OGの林香世教諭が顧問に就いた2011年から粘り強く男子を勧誘した。林教諭も混声で全国に出た経験があり「混声でとの思いが強かった」。部員61人中、男子は15人に増え、存在感が出てバランスがよくなったという。

 マスクに隠れて口の動きや表情が分からない、距離をとって練習するため周りと合わせづらい――。コロナ禍で苦労続きの練習を乗り越え、つかんだ5年ぶりの全国大会だ。

 「大会がなく、悔しい思いをした1学年上の先輩への思いもあった。混声で出られるし、幾重にもうれしい」とリーダーの気賀和香(きがのどか)さん(3年)。指揮者の森麻衣子さん(同)は「みんな笑顔で、全日本にふさわしい合唱ができれば」。

 岡田健

 ■25人、地域に支えられ 箕輪町立箕輪中(長野)

 「めちゃびっくりしました。うれしいです!」

 合唱部の部長、深沢成美さん(3年)が声を弾ませる。長野県大会、中部支部大会はともに音源審査だけ。一度もステージ演奏をしないまま、この大会では初の全国に進む。

 コロナ禍なので練習はマスクを着けたまま。時間も短い。下校時間とにらめっこしながら声をそろえてきた。「いろんな方々の支えでここまで来ました」

 開催地・大分まで行くにも費用がかかる。町の人たちに支えてもらう必要がある。「そういうことも含めて『支えてもらっている』という思いが強いんです」と補足するのは顧問の武田香代教諭(54)。

 部員は25人。運動部を引退した男子4人を助っ人にしてこの陣容だ。武田教諭は「明るく生きられる地球になってほしい、幸せな時代が来てほしいという願いを込めて歌います」。(依光隆明)

 ■先輩の分も、頂めざす 北上市立黒沢尻北小(岩手)

 2年前、最優秀の合唱連盟理事長賞に輝いた。コロナ禍で思うように活動できなかった昨年の先輩の思いも胸に、4~6年生64人が再び頂を目指す。

 練習では歌詞のイメージを共有する。「『どろだらけのシャツ』の部分は何色のイメージ?」。中野美由紀教諭(54)が問いかけると、黄色、赤色、青空の下でどろだらけだから水色――。次々と声があがる。曲を思い浮かべて絵を描き、発表しあうことも。想像が膨らむと、歌い方や声の方向性が決まるという。

 自由曲「はじまりはひとつのことば」は昨年から歌い続けている。コロナ禍でコンクールや発表の場はほぼなくなった。「昨年の6年生も一緒に歌っている気持ちで臨む」と中野教諭。

 部長の宇津志理咲(うつしりさ)さん(6年)は歌詞の内容と今を重ねて言う。「大変な状況だけど、いつか明るい未来がやってくる。勇気を与えられるように歌いたい」(奈良美里)

 ■日程と出場団体(演奏順)

 ◇高校部門=10月30日[土]、大分市のiichiko総合文化センター

 ●高校A(8~32人)

佐賀  佐賀女子

島根  出雲北陵中・高

愛知  桜花学園

福島  安積黎明

岩手  盛岡第四

北海道 帯広三条

香川  高松第一

神奈川 清泉女学院

栃木  真岡女子

長崎  純心女子

奈良  畝傍

東京  共立女子中・高

 ●高校B(33人~)

兵庫  神戸

東京  豊島岡女子学園

千葉  幕張総合

福岡  久留米信愛中・高

香川  坂出

兵庫  武庫川女子大付属

山口  野田学園

北海道 北海道科学大

岩手  不来方

愛知  岡崎

埼玉  松山女子

埼玉  叡明

福島  会津

埼玉  星野

福島  郡山

鹿児島 鹿児島

愛知  光ケ丘女子

 ◇中学校部門=同31日[日]、同センター

 ●中学校混声(8人~)

島根  出雲市立斐川西

長野  箕輪町立箕輪

宮城  仙台市立長町

愛媛  西条市立西条北

福岡  北九州市立浅川

愛知  名古屋市立志賀

千葉  松戸市立第一

群馬  群馬大付属

東京  府中市立府中第四

兵庫  福崎町立福崎西

北海道 札幌市立西野

北海道 札幌市立手稲東

 ●中学校同声(8人~)

北海道 札幌市立伏見

福島  郡山市立郡山第七

福岡  北九州市立二島

長崎  純心

岩手  矢巾町立矢巾北

青森  青森市立造道

高知  高知学芸

大阪  大阪市立文の里

東京  大妻中野

神奈川 清泉女学院

香川  高松市立国分寺

栃木  那須塩原市立三島

愛知  名古屋市立桜山

兵庫  武庫川女子大付属

広島  安田女子

三重  伊勢市立五十鈴

福島  郡山市立郡山第一

熊本  熊本市立帯山

千葉  松戸市立第一

福島  郡山市立郡山第六

千葉  松戸市立第四

 ◇小学校部門(6人~)=11月6日[土]、埼玉県所沢市民文化センターミューズ

神奈川 川崎市立坂戸

岐阜  岐阜市立加納

北海道 札幌市立月寒東・月寒

宮城  聖ドミニコ学院

福島  郡山市立朝日が丘

岡山  岡山市立津島

千葉  船橋市立中野木

広島  広島市立牛田

熊本  山鹿市立めのだけ

島根  出雲市立北陽

富山  砺波市立出町

岩手  北上市立黒沢尻北

栃木  茂木町立茂木

山形  村山市立楯岡

埼玉  朝霞市立朝霞第十

大阪  堺市立美原西

沖縄  那覇市立仲井真

長崎  大村市立旭が丘

高知  高知大付属

長崎  長崎市立西北

秋田  秋田市立広面

茨城  土浦市立土浦第二

山口  山口市立大殿

徳島  徳島市千松

熊本  熊本市立帯山西

群馬  藤岡市立小野

東京  日野市立旭が丘

鹿児島 池田学園池田

長野  佐久市立野沢

宮崎  宮崎市立小松台

三重  亀山市立川崎

宮崎  日南市立吾田

 ◇大学職場一般部門=同20日[土]・21日[日]、岡山市の岡山シンフォニーホール

 ●大学ユース(8人~。28歳以下)

広島 酢だこ

埼玉 Ensemble SAKAE

福岡 九大混声

福島 福島大混声

長野 信州大グリー

高知 高知大

東京 早稲田大コール・フリューゲル

兵庫 関西学院グリー

山梨 都留文科大

 ●室内(6~24人)

岡山  倉敷少年少女

東京  ゆめの缶詰

福島  会津混声

高知  Pange

京都  アンサンブルVine

石川  女声アンサンブル TONICA

埼玉  La Mer

北海道 ウィスティリア アンサンブル

大分  マトリカリアコール

佐賀  ソレイユ

 ●同声(8人~)=以下21日

沖縄  colori

神奈川 La Pura Fuente

埼玉  APERTASS

北海道 HBC少年少女 シニアクラス

東京  WAKAGE NO ITARI

宮城  Palinka

香川  monosso

島根  フィオーリ

大阪  メンズ・ウィード

長野  SUONO・CONBRIO

 ●混声(8人~)

三重  ヴォーカルアンサンブル《EST》

福岡  うたうたい

愛媛  I.C.Chorale

岡山  こぶ

千葉  VOCE ARMONICA

大阪  淀川混声

宮城  グリーン・ウッド・ハーモニー

東京  CANTUS ANIMAE

東京  Combinir di Corista

北海道 Baum

 ■初のライブ配信

 朝日新聞社と全日本合唱連盟は今回の全日本合唱コンクール全国大会で、インターネットによる有料ライブ配信を初めて実施します。すべての部門の演奏をパソコンやスマートフォンでご視聴いただけます。全国どこからでも出場団体を応援したり、合唱に親しんでもらったりできる新たな鑑賞機会を提供します。

 チケットは小学校・中学校・高校部門がすでに申し込みを受け付け中で、各部門を2ブロックに分け、各1500円です。大学職場一般部門は25日から受け付けが始まります。1日通しで2千円です。

 配信はライブのみで、後からさかのぼっての視聴(アーカイブ)には対応していません。映像と音声はブレーンが担当します。

 配信の詳細と申し込みは専用サイト(http://t.asahi.com/chorus2021別ウインドウで開きますまたはQRコード)で。

 問い合わせはメールで朝日新聞社合唱ライブ配信係(chorus2021@asahi.comメールする)。

 <訂正して、おわびします>

 ▼19日付特集面「第74回全日本合唱コンクール全国大会」の記事で、北上市立黒沢尻北小(岩手)の宇津志理咲さんの名前の読み仮名が「りさき」とあるのは「りさ」の誤りでした。