(社説)気候変動会議 取り組み強化へ合意を

[PR]

 地球温暖化対策への取り組みをどれだけ強化できるのか。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)があす、英グラスゴーで始まる。

 会議はコロナ禍で1年延期された。この間、米国はトランプ前政権が離脱した温暖化対策の国際ルール「パリ協定」に復帰。6月の主要7カ国(G7)サミットでは、産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑えるというパリ協定の目標への「努力を加速」などで一致した。しかし、7月の主要20カ国・地域(G20)環境・気候・エネルギー相会合では、先進国と新興国の意見が食い違い同様の合意に至らなかった。

 8月には、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、温暖化は人間の影響だと「疑う余地がない」と断言する科学的根拠を示した報告書を公表。気温上昇は40年までに「1・5度」に達する見通しを示し、熱波や干ばつ、豪雨など気象への影響も強調した。

 国連環境計画(UNEP)は、現状の各国の30年の削減目標を達成しても今世紀末に「2・7度上昇」と予測している。COP26は気候危機に立ち向かう最後の機会と指摘される今後10年に向けた重要な会議となる。岸田首相も参加を決めた。国際社会は対立を乗り越えて取り組まねばならず、日本も存在感を発揮できるか問われる。

 温室効果ガスの排出削減に向けた対策強化で、どこまで合意できるかが焦点だ。途上国への省エネ支援による排出削減分を自国の削減分として算入できるようにするなどの「市場メカニズム」と呼ばれる仕組みの具体化もテーマとなる。一つの手段として合意をめざすべきだが、まず自国での削減に努めるべきなのは言うまでもない。

 議長国の英国は石炭火力発電の利用停止で強い姿勢を示している。日本は閣議決定したばかりのエネルギー基本計画で、30年の電源構成で石炭火力を19%に抑えるとした。しかし欧州では廃止時期を打ち出す国が相次いでおり、日本も廃止の方向性とその時期、そこへの道筋を示さねばならない。

 自動車分野の脱炭素化も議論されそうだ。欧州は電気自動車(EV)への移行を急ぐが、日本はガソリンと電気併用のハイブリッド車(HV)にこだわり、後れをとった。市場の覇権争いの要素もあるとはいえ、技術開発や販売競争も考え、世界の潮流を見定める必要がある。

 地球規模では排出量が1位の中国、3位のインド、4位のロシアの大幅削減が欠かせない。これらの国などに行動を促すためにも、日本はG7の一員として足並みをそろえるべきだ。