(社説)立憲民主大敗 体制と戦略 練り直しを

[PR]

 野党共闘を整え、自公政権に交代を迫った衆院選で、逆に大きく議席を減らす結果となった。自公に代わる選択肢と有権者に認められるには、何が足りなかったのか。立憲民主党は敗北を直視し、体制を立て直したうえで、来夏の参院選に向け、戦略を練り直す必要がある。

 立憲の獲得議席は小選挙区57、比例区39の計96で、公示前の109から13減らした。共産、国民民主、れいわ新選組、社民各党と候補者を一本化した小選挙区では9増やしたが、与党候補に競り負けたところが多かった。共闘の効果は限定的で、地力不足も明らかだ。

 深刻なのは、政党名で投票してもらう比例区の22議席減だ。朝日新聞社などの出口調査では、無党派層の比例区投票先で、立憲は前回衆院選から8ポイント減の21%と、自民党の19%をわずかに上回っただけだった。政党として有権者を引きつける力が後退したと言うほかない。

 共闘を組んだ共産党も2議席減となる一方、一線を画した日本維新の会は4倍近い躍進を果たした。本拠地の大阪の小選挙区のみならず、北海道を除くすべての比例ブロックで議席を得るなど、支持は全国に広がりをみせた。共闘の一角を占めながらも、基本政策の不一致を理由に市民連合が仲介した共通政策には加わらなかった国民民主も3議席増とした。

 立憲の出直しには、徹底した敗因の分析が欠かせない。

 衆院解散が迫るまで、共闘の中身を煮詰めなかった準備不足の影響はなかったか。自衛隊や日米安保など、基本政策の異なる共産党との連携に有権者の理解を得る努力は十分だったか。コロナ対策の時限措置として打ち出した所得税消費税の大幅減税など、財源論を後回しにした公約の実現性に疑念を持たれはしなかったか。

 「首相候補」として支持を得られなかった枝野幸男代表の責任は極めて重い。党内から辞任を求める声があがるのも当然である。出処進退は潔く自ら決断すべきだ。

 一方、自民党単独で絶対安定多数の261議席に乗せ、政権継続を決めた岸田首相はきのうの記者会見で「国民の信任を得た」と語り、新型コロナ対応や経済対策の実行にスピード感をもって取り組むと語った。

 比例区で復活当選したものの、小選挙区で落選した甘利明幹事長の後任には、茂木敏充外相を充てる方針を固めた。現金授受疑惑に対する説明責任に背を向け続けた甘利氏を、党の要に起用した自身の判断を反省し、「政治とカネ」の問題に厳しく対処する出発点にしなければならない。