ベルリン舞台、女性を元気にする小説を 多和田葉子さん連載「白鶴亮翅」、1日スタート

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 多和田葉子さんの連載小説「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」が2月1日から始まる。国際色豊かなドイツの首都ベルリンを舞台に、そこに暮らす人々と歴史が交錯する織物のような物語だ。

 主人公の美砂は、夫とともにドイツに移住したが、その後帰国することになった彼とは別れ、現在は一人でベルリンに暮らしている。ある日、謎めいた隣人のドイツ人、Mさんに誘われて太極拳教室に通うことに。そこで様々な文化的背景を持つ人々と出会い、彼らと交流しながら、大戦前後のドイツと日本の歴史に引き込まれていく。

 多和田さんはベルリン在住。自身、10年ほど前から太極拳教室に通っている。「敵が攻めてきたときに自分の最大限の力を引き出す護身術でもあるし、健康法でもあると同時に踊りでもあります」。そんな奥深さに引かれ、いつか小説の題材にしようと温めていたという。タイトルは、鶴が羽を広げるように手をふわりと伸ばす技の名だ。

 グリム童話やシェークスピア、ドストエフスキーやクライストなど、数々の古典文学が引用される。古典の中であっけなく命を落としたり、魔女と断罪されたりする女性たちだが、連載では別の生き方を見つける。「女性を元気にするような小説にしたかった」。それは一人で異国に生きる美砂の未来をも照らし出す。

 新聞連載は初めて。登場人物が海を越えて移動することが多い多和田さんの小説では珍しく、美砂は終始ベルリンを離れない。「日常をリズムで刻む新聞という形式がそうさせたのか、私にしては珍しい“定住型”小説ですね」板垣麻衣子

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