(社説)自民党と教団 「政策協定」全員調査を

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 国政選挙の際に、事実上の「政策協定」を交わしていたとすれば、その結びつきは深く、党の政策への影響を疑われても仕方あるまい。この問題に触れていない「点検」結果の信頼性もさらに揺らぐ。所属する全国会議員を対象に、教団とのやりとりの実態を早急に調査し、公表すべきだ。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体が、今年の参院選や昨年の衆院選で、自民党の国会議員に対し、教団側が掲げる政策への賛同を求める「推薦確認書」を示していたことがわかった。衆参の計5人について、朝日新聞が確認。署名に応じた議員もいた。教団関係者は全国各地で数十人に働きかけたと証言している。

 与野党を問わず、政党や候補者が、選挙で支援を受ける業界団体や労働組合などと政策協定を結ぶのは、よくあることだ。しかし、深刻な社会的問題を抱える団体が相手となれば話は別だ。しかも、そのつながりが伏せられていたとしたら、有権者から大事な判断材料を奪うことにもなりかねない。

 確認書に記された政策は、憲法改正、安全保障体制の強化▽家庭教育支援法、青少年健全育成基本法の制定▽LGBT問題、同性婚合法化の慎重な扱い――などだ。もともと、自民党が推進したり、公約に掲げたりしているものもあるが、LGBT問題など、党内に多様な意見を抱えるテーマもある。教団に推された議員が勢力を増すことで、政策の方向性に影響を与えている可能性は否定できない。

 どれだけの議員に接触があり、実際に署名した人が何人いたのか。自民党は、以前の国政選挙にまでさかのぼって、全体像を把握し、明らかにすべきだ。その際、教団との関係について説明責任から逃げ続けている、細田博之衆院議長を抜きにはできない。現在は党を離れていても、選挙の際は党の公認候補だ。事実関係をただす責任が党にはある。

 自民党は先月、選挙での支援や会合への出席など8項目について、所属議員と教団との接点を点検した結果を公にしたが、「政策協定」は対象として明示されていない。岸田首相はきのうの参院予算委員会で「党の取りまとめに反映されているのか、確認する必要がある」と述べた。党総裁として、明確に調査を指示すべきだ。

 首相は「選挙における接点が、党の政策に影響を及ぼすことはないと確信している」とも語った。教団とかかわりをもった個々の議員が、その後、どう対応したのか。徹底して実情を解明したうえでなければ、その言葉に信は置けない。

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