(日曜に想う)なにが「無謀」に駆り立てるのか 論説主幹代理・沢村亙
河原を埋めつくすのは、石ころではない。無数の陶器の破片。正確にいえば陶製の手榴弾(しゅりゅうだん)の残骸だ。戦争の「墓場」と形容したくなる光景である。
埼玉県川越市を流れるその川のそばには、かつて軍需工場があった。日本の敗色が濃くなった1944年から、滋賀県の信楽をはじめ全国の産地から野球ボール…
河原を埋めつくすのは、石ころではない。無数の陶器の破片。正確にいえば陶製の手榴弾(しゅりゅうだん)の残骸だ。戦争の「墓場」と形容したくなる光景である。
埼玉県川越市を流れるその川のそばには、かつて軍需工場があった。日本の敗色が濃くなった1944年から、滋賀県の信楽をはじめ全国の産地から野球ボール…