(日曜に想う)イラク戦争から得た教訓は 論説委員・国末憲人
エッフェル塔に近いパリのカフェに入ると、奥の席で1人の紳士が手を上げた。日本語で声をかけてくる。
「お久しぶり」
フランスの元駐日大使モーリス・グルドモンターニュ氏(69)である。イラク戦争が起きた2003年に国際会議で会話を交わして以来、20年ぶりの再会だ。
柔和な表情は変わらないが、白髪…
- 【視点】
「安全保障が重要なのは、安心感や不安といった大衆心理に結びつくからだ。米国は、戦争後の地域安全保障に思いが至らず、イスラム過激派の伸長を招いた」との国末さんの指摘は重要な点だが、一つ大きな問題を孕んでいる。それは、イラク戦争が9.11後の「