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 【若松真平】犬吠駅で降り、駅舎内の売店を通り過ぎる。しょうゆが焦げた甘い香りに足を止めると、おばちゃんがぬれ煎餅(せんべい)を手焼きしていた。ここ犬吠駅は銚子電鉄のぬれ煎餅事業発祥の地。鉄道収入の4倍以上を稼ぎ、一時は赤字を穴埋めしてくれるまでに育った。

 今回の目的地は犬吠埼灯台。本州の平地としては日本一早い初日の出が見られるという場所だ。高さ30メートルほどの灯台に上ると、岸壁に打ち寄せる白波や遠くを行く船が見えた。海岸沿いに観光宿が点在している。

 一番大きな建物には「グランドホテル磯屋」の文字。市内最大の450人を収容できる宿だったが、2012年4月で営業を終えた。「犬吠埼ロイヤルホテル」も閉館。経営不振で他社に譲渡したホテルや、ドライブインに特化したところもある。いずれも、東日本大震災後に宿泊客が激減したことが理由だ。

 銚子市旅館組合の組合長、関根清二さん(65)が総支配人を務めるホテル「ニュー大新」を訪ねた。

     ◇

 「うちのホテルでは震災後、8月まで入っていた計6千人の予約がキャンセルになりました」

 次々と電話がかかってきたが、すべてキャンセルの連絡。旅行会社とやりとりする端末からも、キャンセルを知らせる紙が印字され続け、3月中は止まらなかった。建物の被害はなかったものの「津波が来たら危ない」「放射性セシウムが怖い」と敬遠された。

 お客さんに言われた言葉で印象に残っているのは?

 「稼ぎ時の夏場に『今年は海じ…

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