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健康食品などの宣伝活動において、しばしば虚偽誇大広告が問題となることがあります。

 

 

トクホ「実際より期待させる広告禁止を」 消費者委(朝日新聞2016年4月13日)(http://www.asahi.com/articles/ASJ4F2RRMJ4FUBQU002.html

ココナツオイル販売、違法表示 「認知症やがんに効く」(朝日新聞2016年3月31日)(http://www.asahi.com/articles/ASJ305329J30UTIL027.html

 

先日、消費者庁は健康食品の広告の表示における法律(景品表示法、健康増進法)上の考え方について、事業者の理解促進を図るための資料を公開しました。

◎「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(平成28年4月20日)(http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160420premiums_1.pdf別ウインドウで開きます

この資料では、これまで健康食品に関する宣伝において、法律の抜け穴・抜け道あるいは免罪符と事業者が勝手に考えていたような手法についても詳細に言及されています。

いくつか、代表的なものを紹介したいと思います。

 

ひとつめは「口コミサイト」や「ブログ」についてです。

最近、実際には特定の健康食品の宣伝であるにもかかわらず、そのことを明示せずに、その健康食品の購入者個人による自発的な記事であるかのようになっている広告が社会問題となっています。

「ステルスマーケティング」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。

ネットの記事、実はステマ広告…おわびや釈明相次ぐ(朝日新聞2015年10月27日)(http://www.asahi.com/articles/ASHB86QYQHB8UPQJ00T.html

 

これについて、消費者庁の資料には「このような広告宣伝は、一般消費者を誤認させるおそれがあり、その商品の健康保持増進効果等について、著しく事実に相違する場合又は著しく人を誤認させるような場合には、虚偽誇大表示等に該当するおそれがある。」と記載されています。

具体的な例についても挙げられています。

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◎ 健康食品を販売する事業者が、口コミ投稿の代行を行う事業者に依頼し、その事業者が販売する健康食品に関するサイトの口コミ情報コーナーに口コミを多数書き込ませ、口コミサイト上の評価自体を変動させて、もともと口コミサイト上でその健康食品に対する好意的な評価はさほど多くなかったにもかかわらず、その健康食品の健康保持増進効果等について、あたかも一般消費者の多数から好意的評価を受けているかのように表示させる

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健康食品を販売する企業やブログを執筆する個人には、今後、より誠実な態度が求められると思います。

 

ふたつめは「個人の感想」についてです。

以下に挙げるような利用者の個人的感想という形で、健康食品の効果を訴えているチラシやCMを見たことがある人は多いのではないでしょうか。そして、そのような広告には、小さな文字で「個人の感想であり、効果を保証するものではありません」あるいは「個人の感想であり、効果には個人差があります」などいった但し書きがあったりします。

写真・図版

はたして、この「個人の感想」という但し書きがあれば、このような広告は大丈夫なのでしょうか?

消費者庁の資料には以下のような記載があります。

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なお、「個人の感想です」、「効果を保証するものではありません」等の表示をしたとしても、虚偽誇大表示等に当たるか否かの判断に影響を与えるものではなく(以下略)

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つまり、『「個人の感想」とさえ記載しておけば何を言っても構わないと考えていた』という言い訳は通用しないということになります。事業者の方には、是非、襟を正してもらえたらと思います。

(※なお、「個人の感想」という文言を書いてはいけない、ということではありません。虚偽誇大広告にあたるかどうかは、体験談等を含む表示内容全体から判断されます。)

 

なお、今回紹介した消費者庁が公開した資料「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」に関しては、現在、パブリックコメントを募集しています。

意見提出の締め切り日は5月20日(金)となっています。

興味関心のある方は、是非、資料を確認してみてもらえたらと思います。

 

<アピタル:これって効きますか?>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/kiku/(アピタル・大野智)

アピタル・大野智

アピタル・大野智(おおの・さとし) 大阪大学大学院准教授

大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座准教授。1971年浜松市生まれ。98年島根医科大学(現・島根大学医学部)卒。同大学第二外科(消化器外科)入局。現在は緩和ケアチームで癌患者の診療に従事。補完代替医療や健康食品に詳しく、厚生労働省「『統合医療』情報発信サイト」の作成に取り組むほか、内閣府消費者委員会専門委員(特定保健用食品の審査)も務める。