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 風邪だと思った翌週、起き上がることもできなくなりました。

 千葉県に住む美容師の女性(67)は2015年2月、寒気や下痢に襲われました。「風邪かな」と思った数日後、歩こうとすると足先が重く、壁を伝ってでないと歩けないほどでした。さらに翌週には、朝、目覚めても体に力が入らず、起き上がれないことに気づきました。いくつか病院を転々とした後、細菌やウイルスから体を守る免疫が、誤って神経を攻撃してしまうギラン・バレー症候群と診断されました。入院して点滴による治療を終えると、リハビリのため、病室にウィッグ(かつら)を持ち込んで、カーラーを巻く練習を始めました。

 

おなか下し、足に異変

 千葉県に住む美容師の女性(67)が、勤務先のホテルで寒気に襲われたのは2015年2月下旬のことだった。

 週末を中心に結婚式の列席者の髪形をセットする仕事をしていたが、その日は早退。翌日は一日中、下痢が続いた。

 「風邪でも引いたかな」。以前からおなかをこわしやすかった。体力が落ちているせいかと思い、近所の内科で点滴をしてもらうと、症状は治まった。

 だがその数日後、全く違う異変が起きた。歩こうとすると、足先が重い。初めての感覚だった。脳の異常を疑い、近所の脳神経外科へ行った。MRI検査を受けたが、異常はなかった。

 「寝込んでいたから筋力が落ちたのかしら」。体力をつけようと、夫と休み休み、ウォーキングをしてみた。

 寒気がしてから1週間後の週末、足の症状はさらに悪化した。歩こうとすると足先だけでなく足全体が重い。職場のホテルまで夫に車で送ってもらい、降りると、壁を伝って歩いた。

 上司に異常を訴え、休みをもらった。「一時的だと思っていたのに、私の足、どうしちゃったんだろう」。体に何が起きているのかわからない。同僚に支えられて歩くと、涙が出てきた。

 「このまま動かなくなるの? そしたら仕事ができなくなる」

 美容師の職からしばらく離れていたが、10年に復帰、仕事が楽しくて仕方がなかった。戻った直後は、セットを終えた若い女性に「こんな髪形は嫌」と泣かれたこともあったが、専門誌やテレビ番組、街を歩く人の髪形を見ては練習を重ね、自信をつけてきた。

 頼まれた髪形を1人30分程度の持ち時間で実現する。セットを終え、「別人みたい」と言って、パッと顔を輝かせる瞬間に立ち会えるのが何よりの喜びだ。

 「早くよくなって帰ってくるのよ。待っているから」。同僚が、声をかけてくれた。

 帰り道、骨に問題があるのかと思って接骨院に寄った。原因はわからず、「週明けにまた来てください」と言われた。「ギラン・バレー症候群」と診断されるのは翌週のことだった。

 

 

体動かず…病院を転々

 「え、なんで。動かない」

 2015年3月初旬の朝、千葉…

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