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 連載「患者を生きる 情報届けたい」では今週、前立腺がんを患った男性の闘病生活をご紹介しました。自身の経験をもとに情報発信を始め、患者・家族の会を設立した男性の取材を通して、記者が感じたことをつづります。 

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患者会の仲間たちが心の支えに

 男性のがんの中で、新たに診断される患者の数が最多となった前立腺がん。連載で紹介した武内務さん(68)が設立した前立腺がんの患者・家族の会「腺友倶楽部(せんゆうくらぶ)」の患者会セミナーが、7月中旬に東京でありました。

 

 50代の男性は、セミナーの数日前に前立腺がんの疑いがあることがわかり、飛び込みで参加したそうです。セミナーが終わると、闘病中や治療を終えた会員らに囲まれ、「セカンドオピニオンは受けた方がいい」「治療法が決まれば少し楽になるよ」とアドバイスを受けていました。

 セミナーが始まる前、男性は「どんな治療法があるのか、とにかく知りたい」と不安そうに見えましたが、終了後は「とても勉強になり、元気をもらいました。がんと闘っていきます」と話していました。

 

 他人に話しにくいのが、治療後の性機能の問題です。手術や放射線治療によって勃起不全や射精障害が起きたり、ホルモン治療によって性欲が落ちたりします。「家族や友人にも話せない人が多い」と武内さんは言います。

 そんな壁を越える手助けをしてくれるのも患者会だと感じました。

 

 射精障害で悩んでいた東京都の60代の男性は、患者会で知り合った数人と飲みに行き、「心が楽になった」と言います。酒が進んだ時、「みんな、あっちの方はどうなの?」と話題を振り、自分の悩みを打ち明けると、「おれもそうなんだ」と、ほかの患者も語り出したそうです。男性は「自分だけが悩んでいるわけではないとわかった」と話しました。

 

 素直に語り合える仲間がいると、心の支えになります。今回の取材をきっかけに、今後も前立腺がんや患者会の活動に関心を持っていきたいと思います。

 

◇ 患者を生きる「情報届けたい」の記事、全5回をまとめた【まとめて読む】を、明日掲載する予定です。こちらもご覧ください。

 

<アピタル:患者を生きる・仲間と歩む>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(石倉徹也)