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 前立腺がんと12年前に診断された兵庫県宝塚市の武内務(たけうち・つとむ)さん(68)は当初、「5年生存率20%」と告げられました。手術が難しい状態でも治すことができ、副作用の少ない放射線治療はないかとネットで探しました。希望する治療を受けるまでに苦労した経験から、病気の解説や最新治療を紹介するサイトを自分で立ち上げ、患者・家族の会もつくりました。治療法の選択で後悔しないためには、「医師任せにするのではなく、患者も勉強する必要がある」と話しています。

 

医師に詳しい説明してもらえず

 兵庫県宝塚市の武内務(たけうちつとむ)さん(68)は毎晩、自宅でパソコンに向かう。見るのは、自身が立ち上げた前立腺がん専用サイト。アクセス数は1日600件を超す。

 「治療法がわかりません」「術後の尿漏れに困っていて」……。

 そんな相談への返信は、1日20通以上になる。寝るのはいつも午前2時すぎ。患者に向けた情報発信を10年近く続けている。原点は自身の闘病体験だ。

 2004年10月、排尿の勢いが弱まり、トイレの回数も増えたため、地元の病院を受診した。それまで健康には自信があった。40歳からマラソンを始め、100キロ超のウルトラマラソンも30回以上完走した。しかし、直前にあった視覚障害者のマラソン大会で、伴走中にトイレに何度も駆け込んだ。記録をめざす選手に迷惑をかけてしまい、病院に行く気になった。

 泌尿器科の医師からは前立腺肥大症と言われ、念のため血液検査を受けた。3日後、悪性腫瘍(しゅよう)の疑いを伝えられた。

 血液中の前立腺特異抗原(PSA)の値は147。医師から詳しい説明はなかった。翌日、ネットで調べてみると、PSAは前立腺がんになると増加する物質で、正常値は4以下だった。「かなり進行しているのか」

 病院で前立腺に針を刺して組織を調べた結果、11カ所のうち10カ所からがんが見つかった。前立腺全体ががん化しており、一部はがんが皮膜を突き破っていた。医師は「がんを取り残す恐れがある」として、手術は難しいとの見立てを示した。この病院では放射線治療をしていなかった。

 同年12月、セカンドオピニオンを受けるため、ネットで探した大阪市内の病院を訪ねた。検査結果を見た泌尿器科の医師も、手術は難しい状態と言い、放射線治療を勧めた。そして、「5年生存率は20%です」と告げた。

 PSAの異常値から、画像に写らない微小ながんの転移があると医師は判断したようだった。放射線治療の詳しい説明を求めると、「改めて来院してください」。

 木枯らしの中、電車を乗り継いで帰宅した。「5年生存率20%」が頭から離れなかった。「あと数年しか生きられないのか」

 

海外のサイトで治療法探す

 前立腺がんと診断された兵庫県宝塚市の武内務さん(68)は2004年12月、セカンドオピニオンを求めた大阪市内の病院で「5年生存率は20%」と告げられた。最初に診てもらった地元の病院でその内容を伝えると、医師から「はっきり言われましたねえ」と言われた。2人の医師から突き放されたような気がした。

 「勉強するしかない」。手術が難しい前立腺がんを治すことができ、副作用も少ない放射線治療はないのか調べることにした。

 昼間は経営していた大阪市内の…

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