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 37歳のときにC型肝炎と診断された栃木県の農業、小野崎猛さん(63)は20年以上にわたって治療を続けてきました。C型肝炎ウイルスを体から排除することをめざす治療に3回挑戦したものの、副作用に苦しみ、うまくいきませんでした。薬が効きにくい難治型でした。新しい抗ウイルス薬を使った4回目の治療で成功、「こんなに体が楽になるなんて」と実感しています。

 

注射で治療めざしたが

 栃木県に住む農業、小野崎猛(おのざきたけし)さん(63)が体の異変に気づいたのは1990年、37歳のときだった。体がひどく疲れ、吐き気がした。農作業にも支障があった。

 病院に行くと、最初は「脂肪肝」と言われた。症状が改善しないので別の病院に行き、最終的に「C型肝炎」と診断された。当時はC型肝炎を調べる検査薬が導入されたばかりだった。小野崎さんにとって、よくわからない病気だった。

 医師から「C型肝炎ウイルスに感染しておきる病気です」と説明された。血液を通して感染すると聞いたが、輸血や手術の経験はない。「なぜ感染したのだろう」。全く察しがつかなかった。

 そのころ2人目の子どもが生まれて、家族も増えた。専業農家として、稲作や野菜栽培を手がけ、仕事は順調で、規模拡大をめざしていた。

 「ここで病気になっているわけにはいかない」と思うものの、当時はC型肝炎にすぐれた治療法がなく気持ちが焦るばかりだった。

 肝臓に悪いことはやめようと、好きだった酒やたばこをやめた。友だちづきあいの酒飲みも減って寂しい思いをした。

 2年後の92年、C型肝炎ウイルスを体から排除することをめざす「インターフェロン」の注射薬による治療が公的医療保険の対象となった。「家族のためにも治す責任がある」と、新しい治療に挑戦することにした。

 この年の春に大学病院に40日間入院した。医療機関でも治療が始まったばかりで、注射を受ける前も慎重に、さまざまな検査を受けた。注射が始まると発熱の副作用に苦しんだが、「熱が出た方が治るのだろう」と思い込み、ひたすら我慢した。

 同じ病室には、肝炎が進んで肝硬変になった患者もいた。ある日、吐血するのを見た。「ああ、治らなければ、いつか自分も」。そんな思いが頭をよぎった。

 退院後も病院に通い注射を続けた。一時は肝臓の検査数値が改善したが、1カ月後には再び上昇。6カ月注射を続けたが、ウイルス排除には至らなかった。「せっかく苦労して治療したのに」。心の底から落ち込んだ。

 

 

難治型、検査数値が悪化

 「C型肝炎」と診断された栃木県の農業、小野崎猛さん(63)は1992年、抗ウイルス作用がある「インターフェロン」による治療を受けた。しかし、6カ月間治療をしても、ウイルスを体から排除することはできなかった。

 その後わかったのは、感染したウイルスの型によって薬の効果が違うことだった。小野崎さんのは難治とされる型だった。

 肝臓の状態を示す血液検査の数値は基準値を大きく超えていた。医師からは「C型肝炎の炎症が続くと、現在の慢性肝炎から、長い年月を経て肝硬変や肝がんに移行する」と聞いた。ウイルスを排除できなくても、肝臓の状態を改善しなければ、と思った。

 94年から肝臓専門医がいる総合病院に通って、肝機能改善薬の注射を受け始めた。頻度は週に3~7回。肝臓の状態が悪くなると、回数は多くなった。検査の数値が一時的に下がっても、また上がるという繰り返しだった。結局、注射を10年以上続けた。

 2005年になって、「ペグ・インターフェロン」という改良された注射薬と抗ウイルス薬の「リバビリン」を併用する新しい治療を受けた。

 小野崎さんのような難治の型でも、従来の治療より効果が高いとされた。総合病院に通って週1回の注射を約1年間続けた。ウイルス量は一時的に減ったが、完全に排除することはできなかった。

 治療中は気分が落ち込む副作用に悩まされた。「人と話すのがいやになって。周囲の人からも様子がおかしいと言われた」

 08年には瀉血(しゃけつ)療法も受けた。注射器で1回につき200ミリリットルの血を抜く治療だった。体内にある過剰な鉄分が肝臓の細胞を傷つけるとされ、鉄分を含む赤血球を抜くことで体内の鉄分を減らし、肝臓を保護する。瀉血をした後は貧血状態で体がフラフラすることがあった。

 食事に含まれる鉄分も減らすようにした。「鉄制限食」で、鉄分を多く含むレバーや、シジミなどの貝類を食べないようにした。

 それだけ体に気を配っても、肝臓の検査数値は悪くなっていった。「このままでは肝がんになるのではないか」。焦りが募った。

 

 

副作用に耐え治験参加

 栃木県に住む農業、小野崎猛さん(63)はC型肝炎を治すため、注射薬「インターフェロン」を使う治療を2回受けたが、ウイルスは消えなかった。新たな治療を試しても検査の数値は思わしくなく、このまま肝硬変、肝がんに進むのではないかと不安が募った。

 ネットなどでつながりがある患…

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