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 がん患者の3人に1人が働く世代といわれる。治療の進歩で、がんと長く付き合っていく人が増えており、治療と仕事の両立が大きな課題だ。どんな働き方があるのか、ヒントを探った。

 

会社に相談、制度の活用・提案を

 ヘリ事業の朝日航洋(東京都)で営業をしていた渡部俊さん(34)は4年前、腹痛で病院に駆け込み、大腸がんと判明した。入院手術で約2週間休んだ後、抗がん剤の治療に入った。

 前年に結婚、まだ民間の医療保険に入っていなかったため、家計を考え、有給休暇でしのぐ治療日程を立てた。しかし、副作用は想像以上で、携帯電話も触れないほどの痛み、吐き気やだるさに苦しんだ。がんなどの場合、未消化で失効した有給休暇を5年前までさかのぼって使える制度があると後で知り、「事前に知っていれば余裕のある治療計画にできたのに」と悔やんだ。人事担当に「飲食店の『裏メニュー』みたいなのはやめて」と社員への周知を要望した。

 会社の配慮で、自宅に近い職場にかわり、通勤時間を半減できた。その後、転移が2度あったが、治療と仕事を両立している。「自分と同じ悩みを味わう人がないように」と今は通常業務のほか、会社の休業制度の改善にもかかわる。

 厚生労働省の推計では、約32万5千人が仕事を持ちながらがんで通院する。厚労省研究班の調査では、診断時の職場を辞めたがん患者199人のうち、約4割が治療開始前に、約2割が治療で休んで復職することなく退職していた。

 そんな中、治療中の社員が働きやすい環境づくりに独自に取り組む企業も出てきた。

拡大する写真・図版4年前に大腸がんと診断された渡部俊さん。営業統括のほか、会社の休業制度の改善にも取り組む=東京都豊島区

 

 不動産大手の大京グループは昨年4月、がんに特化した治療休暇制度を導入し、通常の年休や休職期間を使い切っても退職せずに在職し続けられるようにした。治療計画に基づいて休暇期間を決める。まだ利用実績はないが、岩崎直子・人事労務課長は「安心して治療を受け、復帰後に力を発揮してもらえれば」。

 ただ、会社の規模、非正規など雇用形態によっては厳しい状況にある患者もいる。国立がん研究センターの高橋都・がんサバイバーシップ支援部長は「どんな立場の人でも、自己規制や遠慮をせずに、まずは会社側に相談や提案をしてほしい」と助言する。

 

■がん患者の社内支援に取り組む…

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