[PR]

 今週の連載「患者を生きる B型肝炎」で紹介した東京都内の女性(45)は、幼いころにB型肝炎ウイルスに感染しました。1年前から飲み始めた新しい薬によってウイルスの増殖が抑えられていますが、これから一生、薬を飲み続けることになります。B型肝炎ウイルスを体から完全に排除できる薬はまだありません。

 

 C型肝炎の治療は、この数年で大幅に飛躍しています。多くの患者は12週間薬を飲めば、ウイルスが体からいなくなる「完治」が可能な時代になってきました。

 C型肝炎はマスコミで取り上げられる機会が多く、いろいろな場面で情報が提供されています。B型肝炎の患者さんからは「情報が少ない」「専門の医師が少ない」という悩みを聞きます。

 乳幼児期に感染すると、若いころに肝炎が起き、高齢になるまでに肝硬変や肝がんになる人もいます。同じB型肝炎の患者さんでも、年代や病状で治療方法は異なってきます。肝臓の専門医は「B型肝炎の感染を指摘されたら、なるべく早く専門医にかかってほしい」と訴えています。

 B型肝炎にかかわる検査は、ウイルスの量や、ウイルスの遺伝子型、肝機能など多種多様です。複雑な結果を読み解いて各患者に最適の治療法を提供するには、専門的な知識と経験が欠かせません。

 2009年に肝炎対策基本法が成立し、患者の経済的な負担は軽減されてきました。しかし、基本法が専門的な医師の育成や医療機関の整備を求めているものの、専門医は大都市に偏っていて、非常に数が少ない地方もあります。今年11月に開かれた厚生労働省の肝炎対策推進協議会でも、専門治療が必要な患者が必ずしも専門医を受診できていない現状や、都道府県によってばらつきが大きいことが指摘されています。

 B型肝炎の患者が全国どこに暮らしていても必要な情報が得られ、専門的な医療を受けられるように、これからも国や地方自治体の対策強化が求められています。

 

<アピタル:患者を生きる・感染症>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(浅井文和)