『外から家の中に持ち込まないためのインフルエンザ対策 』
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 インフルエンザがピークを迎える2月は、中学や高校、大学の入試がある受験生にとって大切な時期でもあります。インフルエンザは高齢者だけでなく、受験を控える子ども、重要な仕事がある大人にとっても、できれば感染を防ぎたいと考える感染症です。外出先から家の中にウイルスなどを持ち込まないことに注意を払っている訪問看護師は、どうしているのでしょうか? 横浜市鶴見区医師会の在宅部門総括責任者で、横浜在宅看護協議会会長の栗原美穂子さん(看護師、ケアマネジャー)に、外から家に入るときの注意点や発症したと思ったときの対処法について実演、アドバイスをしてもらいました。

 

 訪問看護師が外からインフルエンザウイルスを家の中に持ち込まないように気をつけているポイントは、日常生活の中で役に立ちます。栗原さんは「高齢者の方が、家で療養しているケースが多くなっています。そのため、ヘルパー、訪問看護師など、外からサービスに入る人がたくさんいます。外から家の中に感染源をできるだけ持ち込まないための取り組みをしているので紹介したいと思います」と話しています。

 

玄関先で行う手指のアルコール消毒

玄関では手が洗えないため、アルコールの手指用消毒剤を使います(動画参照)。

① 手のひらをこすり合わせるようにして消毒剤を伸ばす

② 指先は手のひらにこすりつけるようにして消毒する

③ 両手の指を絡ませて、指の間を消毒する

④ 親指の周囲、手首も消毒する

⑤ 手が乾いたらOK

 

玄関先から部屋に入るまでのポイント

① 外でコートを脱ぐ

② 玄関にコートを置く

③ 利用者のいる部屋に行く前に、洗面所を借りて手洗いとうがいをする

④ 手洗いは持参の液体せっけんを使い、入念に行う

⑤ (訪問看護師がケアをするために着るエプロンのような)予防衣を着て、利用者にいる部屋に入る

 

ケアが終わった後の注意点

① 予防衣を脱ぐ

② 洗面所を借りて手洗いとうがいをする

③ インフルエンザなど同居家族を含め感染症の患者がいる家庭を訪問した際は、次の利用者宅に行く前に靴下を履き替える

 

 栗原さんの場合、手洗いの際に使うハンドタオルは、訪問する家庭ごとに変えているそうです。訪問終了後にビニール袋に入れ、ナースステーションに戻ってから消毒し、洗濯をしているそうです。

 

日常的に気をつけたいポイント

① 室内を乾燥させない

② 睡眠と栄養

 

 栗原さんは、加湿器を使って部屋を乾燥させないことが重要と言います。しかし、家庭では各部屋に加湿器がない場合もあります。その場合は、どうしたらいいのか。「洗濯物やぬれたタオルをハンガーにつるして乾燥を防ぐようにしましょう」とアドバイスしています。

 もう一つは、睡眠と栄養。「しっかり休息をとり、バランスのよい食事をとって免疫力、抵抗力を高めておくことが大切です」と話しています。

 

発症したら・・・

 高熱が出て発症したら、どうすればいいのか。栗原さんは「高熱や関節痛などがあったら、早めに受診した方がいい」と言います。医師の診断と治療(薬の処方と服薬)、療養指導が基本です。

 高熱になると汗をかくので脱水にも気をつけましょう。栗原さんは「インフルエンザは熱がでるので、しっかり水分補給をしないといけません。ノロウイルスのときは下痢をしたり、吐いたりしてしまうので少しずつ水分補給をするようにしましょう。インフルエンザは、食べられれば栄養補給をしていくことも大事です」と言います。

 インフルエンザの流行の季節は中学校や高校、大学の受験と重なります。熱が下がれば遅れを早く取り戻したいと考える人が少なくありません。では、熱が下がれば外出していいのでしょうか。栗原さんは「感染源になってしまうので少なくとも解熱した後3日間はできるだけ外に出ないようにした方がいい。どうしても外に出なくてはいけないことがあれば、マスクをつけ、集団の中に入るようなことは避けて欲しい」とアドバイスします。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・オリジナル>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(岩崎賢一)

岩崎賢一

岩崎賢一(いわさき・けんいち) 朝日新聞記者

1990年朝日新聞社入社。くらし編集部、政治部、社会部、生活部、医療グループ、科学医療部などで、医療を中心に様々なテーマを生活者の視点から取材。テレビ局ディレクター、アピタル編集、連載「患者を生きる」担当を経て、現在はオピニオン編集部。『プロメテウスの罠~病院、奮戦す』、『地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン』(分担執筆)