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 先日、学生時代の友人たちと久しぶりに集まった時のこと。仕事の都合で夫婦それぞれ分かれて住むようになった友人が、嘆いていました。「私はバランスよく自分で食事を作って一人でも元気に過ごせているんだけれど、彼は料理ができないし、食事の注意をしても左から右に聞きながし。実行する気がないのよね。自分の体のことなのに」

 新年度の始まりと共に、4月から単身赴任が始まる方もいらっしゃると思います。家族と離れた生活で、まず気になるのは食事かもしれません。料理で苦労したり、外食しがちになったり。健康を保つにはどうすればいいのでしょう?

 外食なら丼物より定食、できたらおひたしなど、野菜の小鉢を加えて。朝ご飯は抜かない方が生活リズムを作りやすい、などなど。「こうしたらいい」ポイントはいくつもあります。ただ、あれもこれもと言ってしまうと、かえってわずらわしくなって、やる気をそいでしまうかも。

 では、誰にでも簡単にできることってないの? まずはこれをやってみよう、と言えるものは。そんな注文にお応えして、私がオススメしたいのは、体重計にのること。できれば、毎日。

 よく「あなたは、あなたの食べたものでできている」と言われるように、食べ過ぎが続くと、結果は体重増として表れてきます。

 体重チェックなら、そう頻繁に計らなくても良さそうに思えますが、増えるのは簡単でも落とすのには苦労する、というのが体重の通り相場。しばらくぶりに体重計にのって、3キロ、4キロと増えていたら、大ごと。連日食事量を抑えていると、ストレスもたまるし、やっぱり食べ過ぎてしまう日もあって、結局体重が減らず、さらに太る方向へ……。体重が少し増え始めたところで、早めに手を打った方が簡単。それに、毎日計っていると、前日より増えた時には思い当たる節があるものです。「あ、昨日より0.5キロ増えてる。昨日宴会だったからかな。今日は軽めにしよう」と心がければ、ハードルが低いし、調整しやすいというもの。

 肥満は、がん、循環器疾患、糖尿病などの入り口になりやすい。2015年の「国民健康・栄養調査」によると、いま日本では20代~60代男性の3割が肥満(BMIが25以上)です。特に40代では37%にも。働き盛り世代の男性に肥満が多いのです。なお、女性は男性ほど肥満の人が多くなく、むしろ20代でのやせ(BMI20以下)の割合が22%と多いのが問題になっています。

 1日にとるべき食事や栄養素の量を定めている「日本人の食事摂取基準」2015年版でも、本人のBMIと体重の変化で、食べ過ぎ(または不足)かどうかを評価しようという考え方です。

 さあ、単身赴任は体重計をお供に。ヘルシーな食生活の助っ人です。それと、計るタイミングを起床直後や寝る前など一定にしておくことをオススメします。1日の中でも体重はかなり変動するので。

 もう一歩先へ進みたい方は、簡単に食事バランスを整える方法を知っておくと役に立ちます。主食、主菜、副菜の三つをそろえるように意識してください。主食はご飯やパンなど穀類。主菜は肉、魚、卵、大豆製品などメインになるおかず。副菜は野菜を使ったおかずです。例えば、牛丼なら、丼のご飯が主食、上にのった牛肉が主菜にあたりますが、野菜はタマネギぐらいで不足気味。それならサラダを追加注文しよう、といった具合です。

 

<アピタル:食のおしゃべり・トピック>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/eat/(大村美香)

大村美香

大村美香(おおむら・みか) 朝日新聞記者

1991年4月朝日新聞社に入り、盛岡、千葉総局を経て96年4月に東京本社学芸部(家庭面担当、現在の生活面にあたる)。組織変更で所属部の名称がその後何回か変わるが、主に食の分野を取材。10年4月から16年4月まで編集委員(食・農担当)。共著に「あした何を食べますか?」(03年・朝日新聞社刊)