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 バランスのよい食事をとることは、健康なからだづくりの基本です。しかし、バランスのよい食事とは一体どのようなものでしょうか?

 厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準」によれば、人が必要とする栄養素は33種類。これらを過不足なくとれば、栄養のバランスが取れているということになります。しかし、33種類もの栄養素すべてを覚えるのは大変ですよね。そこで、その中から皆さんにも知っておいてほしい基本的なものを紹介します。

 まず押さえておきたいのは、3大栄養素。「たんぱく質」「炭水化物」「脂質」のことで、からだや脳のエネルギー源や、筋肉などからだの構成成分となります。

○たんぱく質……筋肉や血液などをつくる主要な成分で、人間の体重の約1/5を占める栄養素。肉類、魚介類、卵、大豆・大豆製品、乳製品に含まれており、不足すると体力低下・免疫力低下・思考力低下、その他貧血などのからだ全体の機能低下の原因になります。

○炭水化物……消化・吸収される「糖質」と、消化・吸収されない「食物繊維」に分けられます。「糖質」は、ごはん・パン・めんなどの穀類、砂糖類、いも類、れんこんやごぼうなどの根菜類に含まれており、からだに入ると速やかに消化・吸収され、エネルギー源になります。「食物繊維」は、人の消化酵素では消化することのできない成分。腸内で有害物質を吸着したり、蠕動(ぜんどう)運動を促したりするなどの働きをします。こちらは玄米など未精製の穀類、そば、豆類、根菜類、きのこ、海藻、果物、乾物などに含まれています。

○脂質……人間の活動の主要なエネルギー源になります。油やマヨネーズなどの調味料、肉類、魚介類、乳製品、ナッツ類などに含まれており、不足すると発育の障害や皮ふ炎の原因になることがあります。

 

 食事の際には、これら3大栄養素を過不足なくとることが必要です。ただ3大栄養素それだけでは十分に機能しません。たんぱく質をからだの構成成分につくり変えたり、糖質や脂質をエネルギー源として効率よく使えるようにしたりする役割を果たす、ビタミン、ミネラルの摂取が必要不可欠です。

○ビタミン……水に溶けやすい「水溶性ビタミン」(ビタミンB群・Cなど)と、水に溶けにくく油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」(ビタミンA・D・E・Kなど)に分けられます。種類によって異なりますが、野菜や果物などに含まれるものが多いです。

○ミネラル……乳製品、魚介類、小松菜やほうれん草などの青菜、大豆製品に含まれる「カルシウム」、レバーや赤身の肉類、貝類に含まれる「鉄」、野菜、海藻、きのこ、いも類、果物などに含まれる「カリウム」、塩やしょうゆ、みそ、コンソメなどの調味料に含まれる「ナトリウム」などがあります。

 

 からだを自動車に例えると、筋肉や髪の毛、爪などをつくる「たんぱく質」は車体に、エネルギー源となる「糖質」や「脂質」はガソリンに当たります。そして、からだの機能の調整役である「ビタミン」「ミネラル」はさしずめエンジンオイル。私たちのからだはこの全てがそろってはじめて調子よく活動できるのです。

 とは言え、専門家ならいざ知らず、ご家庭では必要な栄養素をとるために、一つひとつの食材の栄養成分を調べながら献立を考えるのは現実的ではありません。「それでは、どうすればよいの?」と思った方はご安心ください。毎食できるだけ、3つのお皿「主食」「主菜」「副菜」をそろえればよいのです。

 

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 3つのお皿をそろえると、ごはんやパンなどの主食で「炭水化物」が、お肉や魚を使う主菜で「たんぱく質」と「脂質」がとれます。そして、副菜に野菜を使った料理を用意すれば、「ビタミン」や「ミネラル」もきちんと摂取できます。

 さらに1日1回、乳製品と果物を食べれば、1日に必要な栄養はある程度カバーできます。

 いずれにせよ、上で紹介した方法は、きちんと3食を食べることが大前提です。例えば、1日に必要とされる野菜の量は350gで、これは両手に山盛り一杯分とかなりの量があります。それを1食や2食で食べ切るとなると大変。必要な栄養素を満たすには、3食に分けてバランスよく食べる必要があるのです。

 食べることは健康づくりの基本です。最近は朝食はとらないという人もいますが、まずは朝昼晩の3食をしっかり食べることを習慣付けましょう。それが健康づくりの第一歩です。

 

<アピタル:タニタとつくる健康生活・コラム>

http://www.asahi.com/apital/column/tanita/(アピタル・土佐文子)

アピタル・土佐文子

アピタル・土佐文子(とさ・ふみこ) 株式会社タニタヘルスリンク・ヒューマンサービス企画部 管理栄養士 健康運動指導士

病院の健診センター、自治体の保健センターでの勤務を経て、現在はタニタヘルスリンクにて、健康支援プログラムの企画立案や支援スタッフの育成などを担当している。多くの人に、からだの中で起きていることに少しでも興味を持っていただけるよう、分かりやすくお伝えすることをモットーにしている。