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 パーキンソン病を抱える女性が今春、同じ病気を持つ仲間と一緒に暮らす「家」をつくりました。木村美貴子さん(69)が立ち上げた、「あけびの里」(兵庫県姫路市)です。現在、神経難病の患者9人が暮らしています。患者仲間がゴミが散乱する部屋で身動きがとれずに一人で暮らしていたり、介護する家族が精神的に追い込まれていたりする現状を知り、「最期は同じ病気の仲間と過ごしたい」という夢を実現させました。

かなえた20年越しの夢

 JR姫路駅から車で15分ほどの住宅街に、神経難病を抱える人たちが一緒に暮らす共同住宅「あけびの里」(兵庫県姫路市)がある。窓が大きな2階建ての一軒家に9人が暮らす。

 木村美貴子(きむらみきこ)さん(69)らが3月に開設した。自らもパーキンソン病で入居者の一人。「家庭的な雰囲気の中で、同じ病気の仲間と暮らしたい」と、NPO法人「あけび」を立ち上げ、20年越しの夢を結実させた。

 

 午前7時、リビングに入居者が朝食をとるためにそれぞれの居室から集まってくる。歩行器を使って歩いて来る人、体が思うように動かずに1時間以上かけて身支度する人、寝たきりの人もいる。

 日中は、リビングでお茶を飲みながらリハビリのために計算の穴埋め問題を解いたり、体操をしたりして過ごす。「あけび」が市内で開いているデイサービスに行く人もいる。夜は晩酌をする人もいれば、週末はみなでカラオケで盛り上がる。病院のように消灯時間はなく、自由に過ごす。

 「当初は食後すぐ自室に戻る人が多かったけれど、今はリビングでテレビを見たり、手芸をしたりして、だいぶ『家』らしくなってきた」と木村さん。

 パーキンソン病と診断を受けてから20年。木村さんの症状はここ数年でだいぶ進んだ。小刻みに歩くようになり、倒れそうになっても姿勢を直すことができずに転倒することもある。薬が効いていると1人で階段を上れるが、薬の効き目が落ちてくると動作が遅くなり人の手を借りる。昨年、要介護2と認定された。

 出会った患者仲間の中には、動くと危ないからと体を拘束されたり、「薬を出さず、寝たきりにさせておいた方がいい」と言われたりした経験を持つ人もいる。患者やその家族の厳しい現状を知るたびに、ならば自分たちが最期まで住みたいと思う場所を作ろうという思いを強くした。

 2階東側にある木村さんの居室から、小学校の校庭が見える。放課後、子どもたちの歓声を聞きながら部屋で過ごすのが好きだ。そしてしみじみ思う。「ここが私の終(つい)のすみか。最期は仲間と共に過ごしたい」

 

患者集う作業所立ち上げ

 神経難病の人たちの共同住宅「あけびの里」を兵庫県姫路市に開いた、木村美貴子さん(69)が体の異変に気づいたのは40代前半だった。

 バスツアーに参加した時、乗り合わせた看護師から声をかけられた。「右足を引きずっている。病院へ行った方がいいですよ」

 木村さんは「きっと疲れとストレスやと思う」と応じた。結婚後すぐに夫が腎不全で倒れ、木村さんが働いて家計を支え、2人の子を育てた。

 木村さんの異変に気づいた人が…

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