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 突然ですが、皆さんはどんな食べ物がお好きですか? 答えは人それぞれだと思いますが、おそらく日本の国民食とも言われるカレーライスやラーメンを挙げる方は多いのではないでしょうか。

 しかし、これらのメニュー、おいしいからといって食べ過ぎは禁物です。なぜなら脂質と塩分量が多いから――。そもそもカレーライスやラーメンがおいしく感じられるのは、油がたくさん使われていて口当たりや風味がよく、味が濃い(塩分濃度が高い)ためなのです。

 このコラムの「 カロリーを抑える調理のコツ」と「今日から始める『おいしく減塩』」の回でもお伝えしましたが、脂質(油)と塩分のとり過ぎは生活習慣病の原因になります。食欲の秋ということで、ついつい食べ過ぎてしまうこの時期。欲求に任せて食べてしまうと脂質や塩分をとり過ぎて、からだによくないので注意してくださいね。

 そして、脂質、塩分と並んで、とり過ぎると生活習慣病のリスクを高める栄養素が糖質です。糖質は、炭水化物のひとつですが(炭水化物は糖質と食物繊維に分けられます)、この糖質の一部の単糖類(ブドウ糖・果糖など)と二糖類(ショ糖など)を合わせて「糖類」と言います。

 

 糖類は体内での吸収スピードが速く、血糖値を急激に上昇させるという特徴があります。血糖値(血中ブドウ糖濃度)が上昇すると、インスリンというホルモンが分泌されます。インスリンの作用により細胞がブドウ糖をエネルギー源として利用できるようになるのですが、血糖値が急上昇したり、ブドウ糖が余ってしまったりすると、使いきれなかった分は脂肪などとしてからだに蓄えられてしまうのです。

 また糖類をとり過ぎている状態が続くと、余分な糖類と体内のたんぱく質が結合し、「終末糖化産物(AGE)」という物質が作られます。この物質が蓄積すると、からだの老化や心筋梗塞などのさまざまな病気の原因になることが分かっています。

 つまり、健康維持のためには、できるだけ高血糖状態を継続させないことが大切なのです。

 

 糖類が多く含まれる食べ物の代表と言えばスイーツですね。ちょうど今は、栗やお芋、洋ナシなど、秋ならではの味覚を使った見た目も美しいスイーツがショーケースの中に並ぶ時期。糖類のとり過ぎを気にして我慢ばかりしていたら、逆にストレスがたまって健康に悪影響を与えてしまうかもしれません。

 そこで、どうしても食べたくなったら、食べた分だけからだを動かしてエネルギーを消費するように心掛けましょう。

 食べた後にからだを動かせば、インスリンだけに頼らず血糖値を下げられます。血糖値がピークになる食後30~45分後には、できるだけからだを動かしていることがおすすめです。特別な運動をするということではなく、食事をとった後にごろごろしないで、食器を洗って片付けをするなど、活動的に動くようにするだけでもよいのです。ただ、まだお腹の中では食べたものを消化しきっていないので、激しい運動は禁物。運動ならウォーキング程度の軽めのエクササイズがよいでしょう。

 下の表に20~40歳の女性が甘いものを食べた際、そのエネルギーを消費するのに、どのくらい歩けばよいのかをまとめました。エネルギー消費量は人によって異なるのであくまで目安としてご覧ください。

 

写真・図版

 さて、世の中には意外と糖類がたくさん含まれている食品があります。

 例えば500mlのスポーツドリンクやコップ1杯の飲むヨーグルトには、約25gの糖類が含まれています。世界保健機関(WHO)では、健康への影響を考えると「1日の糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の5%未満とすること」をすすめていますが、この量が約25g(平均的な成人の場合)。つまり、500mlのスポーツドリンクだけで1日分の糖類がとれてしまうという訳です。

 糖類摂取量を減らすなら、習慣的にこれらの食品をほかのものに置き換えるのが効果的です。例えば「スポーツドリンクやジュースは、水やお茶、レモン水」に、「飲むヨーグルトは、果物を添えたプレーンヨーグルト」に置き換えるという具合です。ただし、最近では水でも果糖などが入ったものもあるので、いずれにしても食品の表示をよく見ることが大切です。

 糖類を控える以外でも、血糖値を急上昇させないために、野菜などの食物繊維の多い食品から食べる習慣をつけたり、よくかんでゆっくり食べることを意識したりするのもよいでしょう。食べるスピードが速いと、インスリンの分泌が血糖値の上昇に追い付かず、食後により高血糖になりやすくなります。

 タニタ食堂では、食事をゆっくりよくかんで食べて、満腹感を感じてほしいという思いから、食卓にタイマーを置いて20分間以上をかけて食べていただいています。ご自身の食事のペースを意識してみることも大切なことですね。

 

 からだを壊してしまったら、いくら大好きな食べ物でも、おいしくいただくことはできません。好きなものを長い間楽しむためにも、日頃からちょっとした工夫をして、甘いものと上手に付き合っていきましょう。

 

<アピタル:タニタとつくる健康生活・コラム>

http://www.asahi.com/apital/column/tanita/(アピタル・坂本弘美)

アピタル・坂本弘美

アピタル・坂本弘美(さかもと・ひろみ) 株式会社タニタヘルスリンク・ヒューマンサービス企画部 管理栄養士 健康運動指導士

企業の社員食堂や病院などの給食施設での勤務を経て、タニタヘルスリンクに入社。現在は健康支援サービスでの指導やプログラムの企画立案、レシピ開発などを担当する。食事だけでなく運動や休養など、健康をトータルでサポートすることを心がけて活動している。