[PR]

 「2人目はどうするの?」

 お子さんを1人育てているカップルに、ついつい聞いてしまいがちな質問かもしれません。ただこの一言に、胸が締め付けられるような思いをする人たちがいます。

 第2子を望みながらも、なかなか授からない「2人目不妊」は、1人目の不妊治療にはない、特有の苦悩や切なさがあります。千葉市の女性(39)が直面した2人目不妊の現実をご紹介します。

若いからまだ大丈夫

 望めば、子どもはすぐに授かるものと思っていた。千葉市に住む主婦岡村麻里(おかむらまり)さん(39)は2005年2月、27歳になる数日前に結婚した。28歳の秋に妊娠。何一つ不安なく臨月を迎え、07年6月、イメージトレーニング通りの安産で、男の子を産んだ。

 よく泣く赤ちゃんだった。おっぱいをあげても、おむつを替えても泣きやまない。夜も突然、パニックのように泣き声をあげ、激しくせき込むこともあった。まだ泣いている、どうしようと抱っこしたまま、何度も朝を迎えた。

 夫(41)が出勤して、赤ちゃんと2人きりになると緊張する。「こんなにピリピリした毎日、2人目なんてしばらく無理」。子育てに全力で向き合う自分を、夫も受け止めてくれた。「まだ若いから、大丈夫」。そう思った。

 

 息子が幼稚園に入ると、自分の時間を持てるようになり、いつ妊娠しても大丈夫と思えるようになった。新しいママ友ができて、子どもたちとホームパーティーを開いたり、習い事の送迎を引き受けたり。「一人っ子だから、なんでも付き添ってあげられる」。忙しい毎日に満足感もあった。

 年長になる年に保護者会の副会長が回ってきた。気が重かったが、「この子のために」と腹をくくった。任期途中で妊娠すると、役員を降りる不文律がある。「後任探しで迷惑をかけたくない。妊娠はもう1年延期」。夫は驚いたが、分かってくれた。頻繁に園に顔を出すママを、息子は喜んだ。充実した1年間が終わるころ、36歳になっていた。

 夫婦とも30代後半に入り、じわりと焦りを感じ始めた。妊娠しやすい日を知るために、市販の排卵検査キットを使い始めた。病院通いは大変そうだから、まずは自分たちでできる最大限の努力をしてみようと思った。

 「岡村さんは一人っ子で行くんでしょう?」「本当は2人目ほしいんだけどね」

 ママ友とは、そんな会話をよくした。本気で2人目をほしがる仲間を作ると、どちらか先に妊娠したときに気まずくなりそうで、踏み込めなかった。ただ、他のママが2人目を妊娠すると安心材料にもなった。「私たちだって、まだ大丈夫」

 

一人っ子「かわいそう」

 千葉市に住む主婦岡村麻里さん(39)は、息子が小学校に入学した2014年ごろから、2人目を授かりたいと「妊活」を始めた。

 息子は、同級生の弟や妹をかわいがった。さみしい思いはさせたくない。遊びに出かけるときは、同級生やおい、めいを誘った。

 家族3人でグアム旅行に出かけた秋、息子がポツリとつぶやいた。「オレさあ、今度はきょうだいと来たい」

 「ごめん」。心の中で謝った。このとき初めて、一人っ子の息子を「かわいそう」と思った。自分には姉がいる。夫(41)にも兄がいる。きょうだいを当たり前に感じて育った。でも夫は「かわいそうじゃないよ。海外旅行に行けるのも、おやつを全部食べられるのも1人のよさだよ」と諭した。

 

 妊娠に気づいたのは、その直後だった。うれしさと同時にほっとした気持ちがあふれてきた。

 ところが、2カ月後の年末、健…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら