拡大する写真・図版 長男は先生との交換日記に「海外旅行も行けて、兄弟げんかもしなくてすむから、一人っ子で得をした」と書いた=岡村麻里さん提供

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 先月のことですが、2歳の男の子を育てている人気モデルに囲み取材をした記者が「2人目は?」「(望む)性別は?」といった感じで、遠慮なく質問する様子をネットの記事で読みました。心底、腹が立つとともに、笑顔で写真を撮られていたそのモデルさんのことがとても心配になりました。「2人目どうするの?」と軽く聞いてしまいがちですが、その一言で傷つく人もいるし、傷ついた人は抗議の声をあげづらい質問なのです。

 不妊クリニックにかかる患者さんのうち、2人目のために通院するのは4分の1くらいだそうです。1人目ができずに通院する方が圧倒的に多く、「小さい子を見るとつらい」と思う方も少なくありません。「お子さん連れの受診はご遠慮ください」と呼びかけるクリニックが出てくるのは、無理のないことかもしれません。妊活中の人を対象にした雑誌が行った読者アンケートで「赤ちゃんは見たくない」という意見が来て、掲載する赤ちゃんの写真を差し替えたことがあると聞きました。当然ながら、2人目不妊の特集は多くありません。

 

 2人目不妊や妊活についての情報が見つけづらかったり、望んでいる治療にたどり着けなかったりするのであれば、手立てが必要です。今回の連載でご紹介したように、クリニックが2人目受診のためのスペースを用意したり、外来日を1人目の方と別に分けて設けたりする動きがさらに広がればと思いました。

 また、NPO法人「Fine」は、1人目不妊を経験した人や、2人目以降の不妊に悩む人たちを支えるグループカウンセリング「マナティ・クラブ」(https://ameblo.jp/finemc/別ウインドウで開きます)をつくっています。現在、治療中かどうかに関わらずに参加できるそうです。

 

 記事に出てきた「一人っ子」についても、読者の方から反響がありました。実は私も一人っ子です。「一人っ子がかわいそう」と思って原稿を書いたわけではありません。ただ、きょうだいがほしいと子ども心に思った経験はありますし、おそらく両親にせがんで困らせたこともあったと思います。

 子どもがいてもいなくても、きょうだいがいてもいなくても、一人ひとりが豊かな人生を送れる社会であるように、記事が少しでもお役に立てればと思っています。大げさな締めくくりになってしまいましたが、来週、掲載される記事も、私の担当です。引き続き読んでいただけますとうれしいです。

 

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<アピタル:患者を生きる・妊娠・出産>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(冨岡史穂)