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 年末年始は、多くの病院では通常の外来診療はなく、検査部門なども救急対応のみになります。でも、入院患者さんに対応する病棟に休みはありません。病棟では休日体制で勤務が組まれますが、看護師も帰省や家庭の事情があれば、連休を希望するスタッフもいます。

 そんななか、ベテラン看護師のヨウコさんは、今年も若手のスタッフを統率し、休日体制の病棟業務を切り盛りします。少々疲れ気味のヨウコさんのつぶやきです。

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 年末年始も休みなく馬車馬のように働いているのに、ちっとも報われない。考えてみたら、私はいつも貧乏クジを引いている気がします。

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 ヨウコさんは、年末年始に休みを取るスタッフのために自分が働くことが、不満というわけではありません。これと言うことはないのですが、何となくイライラ・モヤモヤして、気分が曇っているのです。

 そんな時は、「ハッピーログ」を書いてみましょう。「うれしかったこと」「楽しかったこと」など、ハッピーな出来事を書き出してみるのです。

 

 ささいな事でかまいません。この1年を振り返ってヨウコさんにはどんなハッピーがあったでしょうか。

 ・夏に担当した重症の患者さんが元気になって退院した。

 ・指導を担当した新人が一人前に夜勤もできるようになった。

 ・病棟の業務改善の成果が認められて師長に褒められた。

 

 仕事のほかにもきっといろんなハッピーがあったと思います。そういえば、

 ・最近見つけた洋食屋さんがとてもおいしい。

 ・今年買ったコートは暖かくて着心地が良い。

 ・福引で500円の商品券が当たった。

 ・新幹線から富士山が見えた。

 

 文字にして書いてみるというのがポイントです。

 

 以前のコラムで、怒ったことをメモする「アンガーログ」を紹介しました。怒りをメモすると、自分の感情を客観的に見ることができ、自分の傾向を知って対策を立てることに役立ちます。

 ▼日々の怒りをメモしよう(2016年10月28日)

 http://www.asahi.com/articles/SDI201610149999.html

■■怒りメモの項目■■■

① 日時

② 場所

③ できごと

④ 思ったこと感じたこと

⑤ 怒りの強さ(点数)

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■■怒りメモの記載例■■

日時: 10月△日 9時30分

場所: ナースステーション

出来事:使おうと思ったら必要な器材が補充されていない。

思ったこと:またAさんか。夜間に必要になったら大変。

怒りの強さ:3

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 ハッピーログも書き方は同じです。怒りの強さはハッピーのレベルに置き換えます。

 「うれしい」「楽しい」という感情も文字にしてみることで、怒りやイライラに向きがちだった意識を、ハッピーな感情に向かせることができます。

 

■■幸せメモの記載例■■

日時: 12月◇日 17時30分

場所: ナースステーション

出来事:物品の補充に手が回らないと思っていたら

「補充しておきました!」 と報告された。

思ったこと:Bさん、ありがとう!

ハッピーのレベル:4

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 嫌な出来事で頭のなかを埋め尽くすよりも、ハッピーなことを考えるほうが、気持ちも明るくなりますよね。そうすることで、人にも優しくなれるのではないでしょうか。

 見過ごしがちな、日々の小さな幸せをしっかり意識してみましょう。

    ◇

 ささいなことが目に付いて、すぐにカッとなって同僚や上司や患者さんたちについ口を出してしまうヨウコさん。これに対して、ついつい相手に合わせてしまい、自分の気持ちを表に出せずにイライラが募り、気づけば家族に八つ当たりしてしまうメグミさん。タイプの異なる2人が、怒りの感情とうまく付き合っていくためのヒントを、一緒に考えていきましょう。 (ヨウコさんとメグミさんは架空の人物です)

 

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◆編集部から

田辺有理子さんの本が出版されました

 タイトルは「イライラと賢くつきあい活気ある職場をつくる 介護リーダーのためのアンガーマネジメント活用法」(第一法規、2160円)です。(詳しくはアマゾン:https://goo.gl/sxK6md別ウインドウで開きます

 

<アピタル:医療・介護のためのアンガーマネジメント・コラム>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/anger/(アピタル・田辺有理子)

アピタル・田辺有理子

アピタル・田辺有理子(たなべ・ゆりこ) 精神看護専門看護師・保健師・精神保健福祉士

横浜市立大学医学部看護学科講師。大学病院勤務を経て2006年から看護基礎教育に携わる。アンガーマネジメントファシリテーターTMとして、医療・介護・福祉のイライラに対処するためのヒントを紹介する。著書に『イライラとうまく付き合う介護職になる!アンガーマネジメントのすすめ』(中央法規出版)がある。