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【まとめて読む】患者を生きる・新型出生前診断

 43歳で待望の妊娠が分かった女性(45)と夫(51)は、テレビのニュースで知った新型出生前診断(NIPT)を受けようと考えます。「高齢出産だし、赤ちゃんのことを知っておきたい」

 ところが、検査の予約をすると女性の気持ちは揺れ始めました。やるべきことはきっちりこなしたい、しっかりものの女性と調べ物が得意な夫。2人は悩んだ末に一つの結論を出しました。どんなことを考え、話し合ったのかを取材しました。

ニュースで知った 「私、これ受ける」

 なにげなく見ていたテレビのニュース特集だった。東京都に住む女性(45)は2012年、国内で新しい出生前診断が始まることを知った。

 妊婦の血液を調べるだけで、高い精度で胎児の障害が分かるという。「私、これ受ける」と即座に思った。4月で40歳。「妊娠したら高齢出産になるし、赤ちゃんのことはできるだけ調べてあげなくちゃ」

 帰宅した夫(51)にも話した。「そういうのがあるんだね」。初めて知ったようだった。「じゃあ、妊娠したら」「そうだね」

 

 2人が結婚したのは06年。2年たって女性が36歳になるころに不妊専門のクリニックに通い始めた。はっきりした原因は見つからず、夫の精子は「運動が悪い」と言われるときも、いい状態のときもあった。

 タイミング法を経て人工授精を10回ほど繰り返すうちに3年が過ぎた。「疲れすぎじゃない?」。焦りで夫の忙しさを責め、夫婦仲がギスギスすることもあった。

 「やっぱり体外受精しかない」

 11年初夏。初めての体外受精で妊娠した。実家近くの大学病院で出産することにして、クリニックからの紹介状をもって受診した。超音波(エコー)検査のモニターにおなかの中が映し出され、ピコピコと心拍を刻む赤ちゃんが見えた。

 だが2週間後、妊婦健診でエコー画像を見ている医師がつぶやいた。「あれ?」。ドキリとした。「心拍が止まっています」。赤ちゃんはもう動いていなかった。

 「ダメだったんだよ」。病院から夫に電話した。「体は大丈夫?」。真っ先に妻を気遣ってくれたが、声の調子から落胆ぶりが伝わってきた。

 親戚や友人には妊娠を知らせていた。黙っていられないくらい、うれしかった。今度は流産したと伝えなければならない。天国から地獄に落ちた気分で、もう不妊治療は続けられないと思った。

 流産を打ち明けると、「私も実は……」と同じような経験を話してくれる友人が何人かいた。そのあと無事に出産もしていて、少し気持ちが前向きになった。

 

知りたい、でも怖い 検査予約後に揺れる思い

 東京都内に住む女性(45)は2011年、初めての体外受精で妊娠したが、流産がわかった。

 時がたつにつれて気持ちが前向きになると、流産を「妊娠できた実績」と受け止められるようになった。もう少しがんばったら、今度こそ――。夫(51)に話すと、「一緒にがんばろう」と言ってくれた。

 治療を再開し、気持ちの切り替…

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