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 寝つきが悪い、不眠気味、寝ても疲れが取れない等々――、睡眠に悩む人は少なくないようです。ただでさえ忙しい毎日を送る現代人にとって、限られた時間の中でいかに質のよい睡眠を得るかは、健康的な生活を送るためにも、仕事や勉強の効率を上げるためにもやはり気になります。

 そこで、今回は「ぐっすり眠るためにはどのようなことに気をつければよいのか?」について、レクチャーしていきましょう。

 さて、すっかり身近になったスマートフォンですが、寝る前に布団の中で見ているという方は結構多いのではないでしょうか? しかし、この行為は睡眠の質を低下させる原因になります。

 スマートフォンの画面は、ブルーライトという青い光をたくさん発しているということを聞いたことがある方は多い思います。青い光が目に入ると、人を自然な眠りに誘う作用のある「メラトニン」というホルモンの分泌が抑えられてしまいます。

 

拡大する写真・図版光の波長とメラトニンの分泌

 さらに、スマートフォンの画面を見るということは光源を直接見ることになるので、想像以上に強い光が眼に入ってきます。強い光は脳を覚醒させ、眠りにつきにくくさせます。自然な眠りにつくためには、眠る前のスマートフォンの使用は控えましょう。テレビやパソコンの画面なども同様です。少なくとも眠る1~2時間前からこれらの使用を控えて、部屋も暗めにするとよいでしょう。

 

 次に気をつけたいのは、寝室の温度。

 睡眠時、人のからだは副交感神経の作用により体温が低下していきますが、体温が低下することで、寝付きやすくなります。しかし、周りの温度が高いと体温の低下を妨げてしまうのです。

 これからだんだん暑くなっていきますので、特に夏期にはエアコンを上手に活用しましょう。

 例えば、オフタイマーを3時間位にセットして、寝入りばなの睡眠を妨げないようにします。節電のために1時間後に切れるようにしている人もいるかもしれませんが、あまり早くにエアコンが切れて室温が上昇してしまうと、寝苦しくなって起きてしまう恐れがあります。もちろんエアコンの効かせすぎは厳禁。温度は26~28度に設定してください。

 

 なお、人の1日の体温変化を見ると、夕方に最も高くなり、夜に向けて下がっていきます。夕方から夜にかけて、体温が下降傾向にある時に、ストレッチなどの軽い運動を行うと体温がスムーズに下がって眠りやすくなることが分かっています。反対に、寝る直前に熱いお風呂に入ると、体温が上がりすぎてしまうので逆効果。ですので、お風呂はできるだけ早め(眠る2時間位前まで)に済ませる、寝る前に軽いストレッチを行う、などがおすすめです。

 コーヒーや紅茶、緑茶など、カフェインの入った飲み物やお酒を眠る前に口にするのも控えましょう。カフェインには覚醒作用があり、アルコールは寝つきはよくなるものの、睡眠の後半の眠りを浅くしてしまうからです。

 

 ここでぐっすり眠るためのコツをまとめると、

●眠る前にはスマートフォンやパソコンの利用、テレビの視聴は控える

●眠る1~2時間前から部屋を暗くしておく

●エアコンは寝入りばなから3時間はつけておく

●入浴は就寝2時間前に済ます

●寝る前に軽いストレッチを行う

●就寝4時間前にはコーヒーや紅茶、お茶などは飲まない

●寝酒はしない

ということになります。

 

 さらに、眠りの質を改善するには、夜だけでなく日中の活動を見直すことも重要です。朝、太陽の光を浴びて16時間前後で眠くなるというのが、からだの基本的なメカニズム。そこにさまざまな要因が絡み合って、その人が眠る最適なタイミングが決まります。

 そのため、まずは朝や日中にきちんと活動する規則的な生活を心がけることが、質のよい眠りを手に入れる第一歩になるのです。

 

<アピタル:タニタとつくる健康生活・コラム>

http://www.asahi.com/apital/column/tanita/(アピタル・山谷千秋)

アピタル・山谷千秋

アピタル・山谷千秋(やまや・ちあき) 株式会社タニタ・ライフソリューション事業部 工学博士 睡眠健康指導士

博士号を取得後、タニタに入社。さまざまな商品の開発に従事したのち、睡眠計測プロジェクトチームに参加。解析アルゴリズムの開発に携わり、研究成果を学会などで発表している。現在も睡眠に関わる商品開発と研究を進めるとともに、睡眠健康指導士の資格を取得し、睡眠の改善活動にも取り組んでいる。