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 全国各地の生協で組織する「日本生活協同組合連合会」が、食生活の健康度をチェックするウェブシステムを作りました。スマホかパソコンで15分ほど簡単な質問に答えるだけで、自分の食べ方の特徴や改善点がわかります。

 生協といえば、独自の食品基準を持ち、商品開発や産直にも力を入れてきた組織です。食や健康に関わる組合員の活動も盛んに行われています。「これまでも、食べる大切さ、バランスの良い食生活に関してなど、みなさんに向けた一般的なキャンペーンはやってきました。ですが、一人ひとりがどう自分の食生活を変えていけばよいのか、その人に合ったアドバイスまでは手が回っていませんでした」と日本生協連の小熊竹彦・政策企画室長は話します。

 そこで、2016年から東京大学医学系研究科社会予防疫学分野の佐々木敏研究室と連携。コープこうべ、ユーコープ、コープあいちと共に、同研究室が考案した食習慣調査票「BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)」(※1=本文末に関連URL)を使ったプログラムを開発したのです。結果が出るまで時間がかからず事務局の負担も少ないと言います。

 ものは試しに、回答させてもらいました。性別、生年月日、身長、体重を入力した後、約80の質問に答えます。

 大部分は、「鶏肉」「納豆」「和菓子」「そば」といった様々な種類の食物を、最近1カ月でどのくらいの頻度で食べていたか、「毎日1回」「週2~3回」などの選択肢から選ぶもの。家庭での味付けや食べる速さを問う項目もあります。改めて聞かれると「最近、食べたっけ・・・?」と戸惑うものもあるのですが、「あまり考え込まないで、第一印象で答えて」と指示があるので、サクサクと選びました。

 回答を送信してから約1時間で、結果が送られてきました。

 生活習慣病予防に大事な12種類の栄養素について、日本人の食事摂取基準2015を基準にして摂取量を判定。赤・黄・青のシグナルで示し、具体的なアドバイスも入っています。

 私は食塩と飽和脂肪酸に赤信号。国民的課題の食塩は、やっぱりと思いました。飽和脂肪酸はムムッ!という感じ。前月のコラムでも触れたように、取りすぎると循環器疾患のリスクを高めます。

 どの食品から飽和脂肪酸をとっているかのグラフも付いてきました。私の場合、平均的な日本人と比べて際立って多いのは、乳類と菓子類。毎日朝食に牛乳を飲んでいるし、お菓子もほとんど毎日食べている。これか・・・。「牛乳をたくさん飲む人は低脂肪乳がおすすめです」「生クリームやバターを使った洋菓子は飽和脂肪酸が多く含まれます」とワンポイントアドバイスに書かれていました。

 「体にいい」という食に関する情報はあふれています。でも自分の食生活を客観的に把握してこそ、本当に自分にとって大切な情報を選び取れるはず。こうした「食べるをはかる」機会は重要です。仕事柄、食事には気をつけているつもりでしたが、改善の余地がまだあると気付かされた体験でした(取材の役得、すみません)。まずはコーヒーと一緒についつい食べてしまうお菓子、回数減らすか果物に代えてみよう。

 日本生協連によると、このシステムは会員生協単位での利用を想定しており、昨年10月からコープこうべ、ユーコープ、コープあいちの3生協で試験運用、4月からは全国の生協に参加を呼びかけ、取り組みを広げていくとのこと。コープこうべでは、学習会が開かれています(※2)。

 小熊室長は「1人ひとりが自分の傾向を見やすく把握でき、関心を広げる上でいいツール。食生活改善のきっかけにつながっていくと思います。こうしたシステムは、10年経つと社会インフラになっているかもしれません」と話していました。今後は希望が多い、小中高校生対象のプログラム開発にも着手するそうです。

関連リンク

※1 BDHQの詳しい説明については

http://www.nutrepi.m.u-tokyo.ac.jp/dhq/summary.html別ウインドウで開きます

※2 コープこうべの取り組みについては

http://hakarutaisetsu.kobe.coop/別ウインドウで開きます

<アピタル:食のおしゃべり・トピック>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/eat/

(大村美香)

大村美香

大村美香(おおむら・みか) 朝日新聞記者

1991年4月朝日新聞社に入り、盛岡、千葉総局を経て96年4月に東京本社学芸部(家庭面担当、現在の生活面にあたる)。組織変更で所属部の名称がその後何回か変わるが、主に食の分野を取材。10年4月から16年4月まで編集委員(食・農担当)。共著に「あした何を食べますか?」(03年・朝日新聞社刊)