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 ゴールデンウィークが終わって1週間ほど経ちましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 中には「五月病」に悩まされているという人もいるかもしれません。

 一般的に、新生活が始まった4月から続く緊張の糸がゴールデンウィークで切れ、休みが明けて心身に原因不明の不調をきたす状態のことを、よく「五月病」と表現します。最近ではもう少し遅い6月頃、春先の環境の変化に気候の変わり目も重なって、不調が現れる人も多いようです。

 とはいえ、実際には、私達社会人の多くはこの時期にかかわらず、何かしらのストレスにさらされながら仕事をしています。約6割の労働者が仕事に関して何らかのストレスを感じているという調査結果もあります(下図)。

 

写真・図版

 ストレスとは、「外部からのさまざまな刺激によってからだや心に負荷がかかり、ゆがみが生じること」と定義されています。ストレスの原因は、仕事や人間関係、経済的問題や介護などが該当する「心理・社会的ストレッサー」、気象や気温、騒音、照明、人混みなどの「物理的ストレッサー」、建材などに含まれ、ひどければシックハウス症候群の引き金にもなる有害物質やニコチン、花粉などの「化学的ストレッサー」に大別されています。こうして見ると、仕事ではストレスを自覚していない人も、何らかのストレスにさらされているといえますね。

 何かと環境の変化に富んだ4~5月を過ぎ、うっとうしい梅雨が始まる時期に、メンタルヘルスの調子を崩しやすいのは、ある意味自然なことかもしれません。

 ただ、ストレスは一概に悪いものとは言えません。昇進や進学など好ましい変化(刺激)は、ストレスになることもありますが、生活に張り合いももたらしてくれます。つまり充実した人生を送るためには、適度のストレスと向き合いながら、上手にそれを解消していくことが大切になるのです。

 ストレスとうまく付き合うためには、まず自分がストレス状態にあることを自覚する必要があります。ではどうすればよいのでしょう。ポイントは、ストレス状態にあるときのからだや心に起こる兆候をあらかじめ知っておくことです。

 一般的に、ストレス状態にあるときには、以下のような症状や変化があらわれることが多いとされています。

 

身体症状
頭痛やひどい肩こり、動悸(どうき)やめまい、胃腸の不調、嘔吐(おうと)、発熱、不眠など

精神症状
不安や気分の落ち込み、怒りやイライラ、集中力の低下、無気力、疎外感など

行動面の変化
欠勤や遅刻、過食や飲酒行動、散財、暴言・暴力、引きこもりなど

 

 症状のあらわれ方は人によって異なるので、過去に強いストレス状態にあった時、自分にどのような兆候が生じたのかを振り返って、傾向を把握しておくとよいでしょう。そして、身近な人の「いつもと違う」変化には気づいてあげたいものです。「最近〇〇さんの様子が違うな、なにか変だな」と気がついたら、周りの人から声をかけてあげることがとても大切です。

 もし、自分自身の変化になかなか気づけないという人は、活動量の変化をチェックしてみるのもおすすめです。メンタルヘルスに問題が生じると、極度の倦怠感(けんたいかん)を覚えたり活気が低下したり、本来は楽しめていたことへの興味もさがってきたりします。その結果として行動範囲が狭まり、休みの日にも外出しなくなるなど、活動量が減る傾向があります。活動量の変化をチェックすると、からだや行動の変化に気づくことができるので、早期発見・早期対応に生かせるのではないでしょうか。

 

 さて、ストレスの対処法としては、休日の旅行計画を立ててみるなどストレスの原因から距離を置く方法と、やるべき仕事がたくさんある際に頑張って早く終わらせてしまうというように、あえてストレスの原因に向かう方法があります。

 ただし後者の方法は、うまく対処できればよいのですが、失敗するとさらなるストレスになるリスクがあるので注意が必要です。

 そこで、まずは簡単な対処法として、少し席を立ってストレッチをする、お茶を飲むなど、ストレスの原因から一瞬でも距離を置くことを日々の生活の中で取り入れてみることをおすすめします。

 

 ストレスは、たまればたまるほど解消するのに時間がかかるだけでなく、状態を悪化させるので、早めに解消したいものです。「その日のストレスはその日のうちに取る!」という考え方で、こまめに対処したいですね。

 「自分は大丈夫」と思い込まず、この機会に、一度ご自分のメンタルヘルスについて、考える機会を設けてみてはいかがでしょうか?

<アピタル:タニタとつくる健康生活・コラム>

http://www.asahi.com/apital/column/tanita/(アピタル・生嶋瑞穂)

アピタル・生嶋瑞穂

アピタル・生嶋瑞穂(しょうじま・みずほ) 株式会社タニタヘルスリンク・サービス企画部 保健師

産業保健師として企業に勤務した後、タニタヘルスリンクに入社。その経験を生かし、現在は法人向けの健康支援サービスにおいて、メンタルヘルスを中心としたプログラムの構築を担当し、心とからだの健康づくりをサポートしている。