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 赤ちゃんが生まれてからの1年は、体重が約2~3倍にも増える、人生の中でもっとも成長が著しい時期です。そんな時期に、すくすく育つ赤ちゃんの成長を目に見える形で確認できると、より一層、育児の励みになりますよね。そこで今回は赤ちゃんの体重に注目して、そのはかり方やチェックするポイントをご紹介していきます。

成長曲線で発育をチェック

写真・図版

 母子健康手帳には、上の図のような成長曲線グラフが掲載されています。これは赤ちゃんの発育状況を評価するもので、グラフの中には標準的な発育の範囲(色のついた部分)が示されており、身長と体重がその範囲内なら標準的な発育状態にあるということになります。

 ただし、標準範囲に入っていないからといって、心配し過ぎる必要はありません。ある時点の身長と体重が標準範囲にあるかどうかということよりも、どのように増えていくかが大切です。たとえ標準の範囲をはずれていても、増え方が成長曲線と並行して増えていれば大きな心配はありません。標準に少しずつ近づいていくのを見守っていってあげましょう。

 ここまでが、赤ちゃんの成長についての基本的なチェックの仕方です。

はかる目安は月1回、自治体の計測チャンスも活用を 

 それでは、どのくらいの頻度ではかるのがよいかというと、大体1カ月ごとを目安にするとよいでしょう。多くの市区町村では、任意参加の乳幼児に向けた身体測定や育児相談を1カ月に1回程度開催しています。これを利用して定期的に計測を行い、成長曲線と照らし合わせると、赤ちゃんの成長具合がより実感できますよ。

 また、市区町村では1歳未満の赤ちゃんに向けて、乳児健康診査として医療機関で個別に、もしくは市区町村で集団で健診を受ける機会が提供されています。1歳6カ月健診および3歳健診は、母子保健法に基づき、すべての市区町村において実施されています。専門家からきちんとしたアドバイスを受けるチャンスになりますので、育児の安心感を高めるためにもぜひ活用したいものですね。

 最近はショッピングモールや百貨店などのベビー休憩室に赤ちゃん用の体重計(ベビースケール)が設置されることも増えてきました。気軽に赤ちゃんの体重をはかることができ、また、他のママとも交流を深めるなど、楽しみながら育児をしていく機会になります。

 

もっと気になるという人は、家庭ではかる方法も 

 授乳や発育が気になるので、もう少し頻繁にはかってみたいという方は、ご自宅で赤ちゃんの体重をはかる環境を整えてみてはいかがでしょうか? はかるタイミングは母乳やミルクを飲む前で排泄(はいせつ)が済んだあたりがおすすめです。オムツを脱がせて、裸の状態ではかります。そうは言っても、おしっこをかけられてしまったり、赤ちゃんが不安で暴れてしまったりするのが心配という声もよく聞きます。そんな時には、オムツや洋服の重さをベビースケールの風袋引き機能をつかって引いたり、事前に着衣の重さをはかっておき、その分を後から引いたりして赤ちゃんの体重を把握する方法もあります。

 赤ちゃんの発育は個人差がありますが、母乳で育てている赤ちゃんは、ミルクで育てている赤ちゃんに比べて、体重が増えにくい傾向もあるようです。これは哺乳瓶に比べ、母乳の方が吸うのにとても体力を使うからだともいわれています。乳児健診などに行って、他の子と比べて「うちの子は小さいけど大丈夫かしら」と不安に感じる方もいらっしゃいます。極端に小さい場合をのぞいて、その子なりの成長が確認できればそれほど心配する必要はありません。もし心配ならば、自治体で開催される無料の相談窓口などを気軽に利用できる場所として活用してみてはいかがでしょうか。

 

 逆にミルクで育てていると、先述の通り、哺乳瓶の乳首が吸いやすいため、もっとと欲しがる赤ちゃんに、つい多く与えてしまうことがあります。赤ちゃんは生まれて少し経つと上手に飲めるようになり、飲む力もついてきますので注意が必要です。また、赤ちゃんのからだの大きさや消化する力、泣いたり動いたりして消費するカロリ―には個人差があります。ミルク缶に書かれている目安量は月齢ごとの平均体重や食事摂取基準に基づいて算出された標準的な量なので、赤ちゃんによって多すぎる、あるいは少なすぎるといった違いが出てきます。成長曲線に沿って体重が増加していることや赤ちゃんの体調を確認しながら、ミルクの量を調整するとよいでしょう。

 体重だけが増えて筋肉が増えていかないと、寝返りや、はいはいなど運動機能の発達がゆっくりになる可能性があります。体重の増えと共に、その時期に必要な動きもできているかを合わせて見守ってあげると、よりよいですね。

 もちろん赤ちゃんの体重を毎日はかって、成長を実感して喜べるのならば良いのですが、過敏になるのは少し行き過ぎです。赤ちゃんの成長について心配性になってきたと感じる時には、あえて1週間に1度くらいのペースにするなど間隔を空けてはかる方がよいでしょう。前述のような自治体の開催する育児相談など、専門家の元ではかるとアドバイスがその場で受けられるのでおすすめです。

 

はかりすぎはNG ママの笑顔が一番 

 赤ちゃんの成長は本当に個性が豊かです。周りと比べて、気にし過ぎて一人で抱え込まないことが、上手に子育てを行うコツの一つです。例えば母乳にこだわりすぎて、体調を壊してしまうママがいます。赤ちゃんを大切に思う気持ちは素晴らしいですけれど、赤ちゃんに最も必要なのは、「家族の愛情」です。ママが安らかな気持ちでいられるよう各家庭それぞれの事情に合わせて、赤ちゃんが健やかに育てられる方法を選んでよいと思います。

 育児を頑張るママたちにとっては、身近な人の理解が一番の支え。パパをはじめ、おばあちゃんやおじいちゃんも、ぜひ育児を頑張るママたちをサポートしてあげてくださいね。乳児期の子育てを後で振り返ると、大変さもあるけれども家族の人生にとって宝物のような時期だったという声をよく伺います。可愛いわが子を抱きしめられる期間をぜひ味わいつつ、じっくり子育てライフを楽しんでくださることを心より願っています。

 

<アピタル:タニタとつくる健康生活・コラム>

http://www.asahi.com/apital/column/tanita/(アピタル・小林律栄)

アピタル・小林律栄

アピタル・小林律栄(こばやし・りつえ) 株式会社タニタヘルスリンク・サービス企画部 保健師

自治体で乳幼児からシニアまで幅広い世代の健康サポートに関する勤務を経て、タニタヘルスリンクに入社。現在は特定保健指導や糖尿病予防事業、健康経営のサポート事業等において、参加者への指導やセミナー、プログラムのマネジメントを担当する。