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 食品の効き目(機能性)を表示できる機能性表示食品。その安全性や有効性にかかわる届け出情報は、消費者庁のウェブサイトで確認できることを知っていますか?消費者が自主的に、かつ合理的に商品を選べるように作られました。今回は、機能性表示食品の制度設計や消費者に求められていることについて解説します。

◯×クイズ:機能性表示食品の情報は、消費者が自分で調べて購入を判断できる
(※答えは、本文中にあります)

▼機能性表示食品制度では、消費者の自主的な情報収集が求められている

▼消費者庁は届け出情報をウェブサイトで公開し、誰でもアクセスできるようにしている

▼情報を入手した上での選択のことを「インフォームド・チョイス」という

 消費者庁が実施した「2017年度食品表示に関する消費者動向調査報告書」が先日公開されました(※1)。全国の15歳以上の消費者1万人を対象に、食品表示制度の理解や活用情報を調べています。

 その調査によると、機能性表示食品の届け出情報が消費者庁のウェブサイトで確認できると知っている人は、11.8%しかいなかったことが明らかとなりました。さらに、「知っている人」の中で、実際にアクセスして確認したことがある人は41.7%にとどまっていました。

 そのウェブサイトは「機能性表示食品の届出情報検索(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/別ウインドウで開きます)」というデータベースです。

写真・図版

 

 ぜひ読み進める前に、一度、アクセスしてみてください。

 こちらのデータベースでは、商品名で届け出情報を検索できるほか、「機能性関与成分を含む原材料名」「機能性関与成分」で検索したり、「表示しようとする機能性」で検索したりすることができます。

 ちなみに、原稿執筆時(2018年6月7日)、機能性関与成分を「グルコサミン」で検索すると49製品がヒットします。表示しようとする機能性を「膝(ひざ)」で検索すると21製品がヒットしました。さらに「グルコサミン」「膝」の2つのキーワードで検索すると6製品がヒットします。

データベースが作られている意味

 なぜ、このようなデータベースが作られているのでしょうか?

 機能性表示食品に関するガイドライン(※2)は、この制度は「消費者の誤認を招くものではなく、消費者の自主的かつ合理的な食品選択に資する」ことが重要だと繰り返し述べています。

 注目してもらいたのが「消費者の自主的かつ合理的な食品選択」という点です。

 つまり、機能性表示食品制度では、消費者自らが積極的に情報を収集し、それをもとに、「この商品を利用するかしないかの判断をする」ことが求められているわけです。

 このような仕組み・考え方を「インフォームド・チョイス(説明を受けた上での選択)」ということもあります。似たような言葉で、医療現場で用いられる「インフォームド・コンセント(説明と同意)」があります。この連載では、インフォームド・コンセントを説明する際、下記の図を使ってきました。

写真・図版

 インフォームド・コンセントとは、「治療の内容について説明を受け、理解・納得した上で、自らの自由意思に基づいて、治療方針において同意する(拒否することも含む)」となっています。

 一方で、インフォームド・チョイスでは、患者さんが、より主体的に選択するという意味合いが出てきます。「主体的に」という点が重要なポイントになってきます。

 ここで、機能性表示食品制度の「自主的かつ合理的な食品選択」に話を戻すと、消費者は自ら情報を収集し、それを理解・納得した上で、自らの自由意思に基づいて、自らの決断・行動を選択することが求められていることになります。

写真・図版

 ですから、「機能性表示食品の情報は、消費者が自分で調べて購入を判断できる」のクイズの答えは「◯」になります。

クイズの答え:機能性表示食品の購入には、積極的に情報を収集して判断する

 今回の記事で、派手なテレビCMに踊らされたり、経験談・口コミに誘惑されたりすることを否定しているわけではありません。ただ、この制度は、どんな効き目がどのぐらいあるのかといった情報を消費者自らが集めて、買うかどうかの判断をしてほしいと運用されています。

 データベースから収集できる機能性表示食品の情報は、以下のものがあります。

・安全性に関する情報

・生産・製造及び品質管理に関する情報

・機能性に関する情報

・健康被害の情報収集体制(相談窓口の連絡先等)

・表示の内容/表示見本

・作用機序

 次回は、消費者庁が公開している届け出情報を吟味する際のポイントを紹介します。

【参考資料】

(1)消費者庁「2017度食品表示に関する消費者意向調査報告書(2018年5月31日)」

http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/research/2017/pdf/information_research_2017_180531_0002.pdf別ウインドウで開きます

(2)消費者庁「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン(2018年3月28日一部改正)」

http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/pdf/food_with_function_clains_180328_0001.pdf別ウインドウで開きます

<アピタル:これって効きますか?・健康食品、どう向き合う?>http://www.asahi.com/apital/healthguide/kiku(アピタル・大野智)

アピタル・大野智

アピタル・大野智(おおの・さとし) 大阪大学大学院准教授

大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座准教授。1971年浜松市生まれ。98年島根医科大学(現・島根大学医学部)卒。同大学第二外科(消化器外科)入局。現在は緩和ケアチームで癌患者の診療に従事。補完代替医療や健康食品に詳しく、厚生労働省「『統合医療』情報発信サイト」の作成に取り組むほか、内閣府消費者委員会専門委員(特定保健用食品の審査)も務める。