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【まとめて読む】患者を生きる・スポーツ「脳振盪」

 アメリカンフットボール社会人X(エックス)リーグの「IBMビッグブルー」に所属する宮川周平(みやがわしゅうへい)さん(24)。大学時代、繰り返し起きる脳振盪(しんとう)に悩み、一時は競技引退を考えました。指導者や脳神経外科医のサポートを受け、今はチームの戦力としてプレーを続けています。

脳振盪何度も 記憶が消え、頭痛長引く

 目の前を走り抜けようとする相手選手を止めようと下半身めがけてタックルした瞬間、相手のひざが頭にぶつかった。フィールドから外に出ると、急に気持ちが悪くなってうずくまった。意識がぼんやりし、気づくと病院に救急搬送されていた。「あ、また脳振盪(のうしんとう)になったのかな」と思った。

 アメリカンフットボール社会人X(エックス)リーグで「IBMビッグブルー」に所属する選手、宮川周平(みやがわしゅうへい)さん(24)は大学4年生だった2015年10月、プレー中に起きた脳振盪で、一時は引退を考えた。

 

 アメフトを始めたのは中学の時。米プロフットボールリーグ(NFL)が好きな兄の影響だった。アメフト部のある高校に進み、大学日本一の実績もある法政大に入った。大学に入ると、対戦相手も技術が高く、ぶつかる時の衝撃が大きくなったと感じた。頭を打って記憶が一時的になくなったり、頭痛が長引いたりした。

 頭に衝撃を受けた後、健忘や頭痛、めまいなどの症状が一つでもあれば脳振盪が疑われる。より重い急性硬膜下血腫が起きていないか調べる必要があり、脳神経外科でCTやMRIなどの画像検査を受け、脳内に出血がないことを確認する。

 脳振盪のたびに長期間、練習を休まなければならなかった。それでも、世界選手権の19歳以下で日本代表に選ばれるなど着実にキャリアを積んだ。3年生の終わり、主将として120人の部員を率いることになった。

 だが4年生の春にも試合中、タックルの際に脳振盪になった。頭痛と吐き気。高校時代も脳振盪になったが、大学では症状がより重くなってきていた。それが不安で、アメフトのプレー中の脳振盪に詳しい、おとわ内科・脳神経外科クリニック(東京都文京区)の川又達朗(かわまたたつろう)院長(61)を訪ねた。

 幸い、MRIによる詳しい検査でも脳に異常は見つからなかった。だが長年、脳振盪を繰り返していると、物忘れが激しいなど認知症のような症状が起こる危険性があることも指摘された。

 「選手生命を長く維持するなら、プレースタイルはよく考えた方がいい」。川又さんの言葉が重く響いた。

キャプテンなのに練習に出られない

 アメリカンフットボールの社会人チーム「IBMビッグブルー」の選手、宮川周平さん(24)は法政大時代、チームで主将を務める中心選手だった。しかし、プレー中にタックルした際、何度も脳振盪(しんとう)になった。4年生の春、試合中になった後は、頭痛と吐き気が長引いた。

 練習を休み、自宅で過ごす日々。脳振盪の影響で光や音に敏感になり、テレビや電気は消した。「キャプテンが練習にいないなんて」。暗く静かな部屋で横になると、気持ちが追い詰められた。

 復帰するには、症状が消えるまで十分に休んだ後、歩行などから始め、ランニング、接触プレーのない練習と徐々に運動の強度を上げる必要がある。これまでも復帰に1カ月以上かかっていた。

 チームが一丸となる夏の合宿でも、衝撃を受ける練習は避け、別メニューで調整した。

 

 いつの試合から復帰するか。コ…

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