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 トクホ(特定保健用食品)などのように機能性(効き目)や用途(使いみち)が表示できないものは、一般食品に分類されます。その中には「栄養補助食品」など、錠剤やカプセルといったサプリメント形状で販売されているものもあります。国の制度に定められた保健機能食品などとはどんな違いがあるのでしょうか。今回は、健康食品・サプリの科学的根拠について考えてみたいと思います。

◯×クイズ:健康食品・サプリメントの効果について、信頼性の高い研究「ランダム化比較試験」の報告はない
(※答えは、本文中にあります)

▼健康の維持・増進に関わる効き目を表示できるのは「保健機能食品」だけ

▼効き目を表示するには、人を対象とした臨床試験による裏付けが必要

▼一般食品に分類される健康食品・サプリメントの科学的検証が世界各国で進められている

 さて、食品の分類図で一般食品の位置づけを確認してみましょう。

写真・図版

 保健機能食品に分類されるトクホや機能性表示食品は、法律で効き目を表示することが認められています。

 これには、表示の根拠となる裏付けが必ず必要です。「裏付け」と一言で言っても、医学的な情報にも信頼性の高い裏付けと低い裏付けがあります。保健機能食品制度では、信頼性の高い「ランダム化比較試験(RCT)」または、複数のRCTを検討する「システマティックレビュー」を使って、表示しようとしている効き目の有効性を立証する必要があります。

写真・図版

 RCTとは、対象者をランダムに二つのグループに分けて、一方には評価しようとしている治療、もう片方には異なる治療を行い、一定期間後に効果を比較検討する臨床試験の方法です。

 トクホの場合は、販売を計画している製品を摂取する「介入群」、効き目を表示したい成分が含まれていない「プラセボ」を摂取する「対照群」に分けます。

たとえば、中性脂肪を評価する指標にした場合、次に示す図のようになります。

写真・図版

 一般食品に含まれる健康食品・サプリメントでは、RCTによる検証は行われているのでしょうか?

 米国の国立医学図書館が運営している医学論文のデータベース「PubMed(パブメド)」(※1)を使って、保健機能食品制度がある海外の状況も含めて、健康食品・サプリメントのRCTの報告件数をグラフにしたものがこちらです。

写真・図版

 2000年前後から、右肩上がりで報告件数が増えているのが分かります。最近では、年間1000件を超える、健康食品・サプリメントを用いたRCTの結果が報告されています(2017年の報告件数は、データベースに登録されるまでのタイムラグがあるため、本来よりも少なくなっています)。

 ですから、「健康食品・サプリメントを用いたRCTの報告はない」というクイズの答えは「×」になります。

クイズの答え:健康食品・サプリメントを用いたRCTの報告件数は増えている

 次回は、このランダム化比較試験の結果に基づいた情報を、どのように入手し、どのように活用していけばいいのかについて解説します。

【参考資料】

(1)U.S. National Library of Medicine(米国国立医学図書館)が運営する論文データベース:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed別ウインドウで開きます

<アピタル:これって効きますか?・健康食品、どう向き合う?> http://www.asahi.com/apital/healthguide/kiku(アピタル・大野智)

アピタル・大野智

アピタル・大野智(おおの・さとし) 島根大学・教授

島根大学医学部附属病院臨床研究センター・教授。1971年浜松市生まれ。98年島根医科大学(現・島根大学医学部)卒。同大学第二外科(消化器外科)入局。補完代替医療や健康食品に詳しく、厚生労働省「『統合医療』情報発信サイト」の作成に取り組むほか、内閣府消費者委員会専門委員(特定保健用食品の審査)も務める。