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【まとめて読む】患者を生きる・スポーツ「潜水病」

 愛知県西尾市でダイビングショップを営む迫田和久(さこだかずひさ)さん(45)は「減圧症(潜水病)」を発症しました。潜水後、体調不良を感じ、ドクターヘリで病院に運ばれました。治療を受け、その後潜水に復帰しました。自らの経験を共有することで、多くのダイバーに安全な海の楽しみ方を伝えていきたいと願っています。

ダイビングの帰り道、ろれつ回らず左手が脱力

 「あれっ。左手が動かない」

 車のハザードランプのスイッチを押そうとした時だった。力がまったく入らず、手が上がらなかった。2017年3月4日、ダイバーに人気の西伊豆・大瀬崎(おせざき)(静岡県沼津市)を訪ねていた。

 愛知県西尾市でダイビングショップを営む迫田和久(さこだかずひさ)さん(45)は減圧症(潜水病)になり、治療を受けて復帰した経験がある。

 

 天候は晴れ、気温は10度、水温14度。1回目の潜水時間は41分で最大水深は約18メートル。昼食をとり、2時間後に再び潜った。2回目は45分、約16メートルだった。異変が起きたのは、客を乗せた車で帰途についた午後3時半ごろだった。潜水後1時間半ほどたっていた。

 「眠いんですか」。会話中、急にろれつが回らなくなり、助手席のスタッフから尋ねられた。「おかしい」。車をとめた。左手が脱力したのはその時だった。

 ただ、意識ははっきりしていた。運転をスタッフと交代し、しばらく車内でぐったりとしていると、口も左手も動くようになった。不安は感じたが、すぐ病院に向かうか、客を愛知県まで送り届けてからにするか迷った。

 「ろれつまわらなくなって、力入らなくなった」「病院さがす」と、妻佑子(ゆうこ)さん(39)にLINEで送信した。すぐに返事が来た。「脳梗塞(こうそく)かもよ」「救急車呼んでよ!」

 はっとして、119番に電話した。まもなく救急車が到着した。潜水したことや症状を伝えると、救急隊員は言った。

 「減圧症の疑いがあります」

 潜水中に圧力がかかったタンクの空気を吸い込むと、体内に窒素が溶けこむ。水面に浮上して減圧した際に、その窒素が気泡となることがある。炭酸飲料の容器のふたをあけると、二酸化炭素の泡が吹き出るのと似ている。この泡が血管を塞いで血流を妨げ、様々な症状が起きるのが減圧症だ。重症の場合は命にかかわる。

 救急車で酸素吸入と点滴の応急処置を受けた。だが、一刻も早く病院で専門の治療を受ける必要があった。車内があわただしくなった。「今からヘリが来るので、近くのヘリポートに向かいます」

ドクターヘリで病院へ「これって夢なんじゃ…」

 愛知県西尾市でダイビングショップを営む迫田(さこだ)和久さん(45)は昨年3月4日、静岡県沼津市の大瀬崎(おせざき)で潜水した後、体の異変を感じた。減圧症(潜水病)の疑いがあり、駆けつけた救急隊はドクターヘリの出動を要請した。

 だが、迫田さんはまだ信じられなかった。「何で。これって夢なんじゃないか」

 ダイビングの経験は20年。これまで減圧症になったことはなかった。当日も普段通りで、一緒に潜った客にも異常はなかった。

 混乱したまま、救急車でヘリポ…

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