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 小さい子を育てている皆さん、子どもの体調が悪いとその理由が何であっても、すぐに受診しないといけないと思っていませんか。とくに、初めての子育てだとどうなったら医療機関に行くべきなのか、それまで知る機会がなかったと思います。

 実は、子どもの調子が悪くなったからといって、毎回、すぐに受診しなくてはいけないということはないんです。そこで、受診の目安もわかる、子どもの病気とホームケアの本を書きました。具合が悪いとき、無駄な受診をしないですむとラクですね。子どもにとっても、慣れた家で保護者と一緒に休めたらその方がいいでしょう。

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 その中から、正しい診察の受け方を紹介します。受診の仕方に、本当は「正しい」も「間違っている」もないんですが、だいたい小児科外来は混雑していて、気がせいて伝えるべきことを伝えずに帰ってきてしまう方が多いようです。家に帰ってから「処方してもらった抗菌薬(抗生剤)はいつも下痢をするので変えてもらいたかった」というようなことはないですか?思わぬことを聞かれて戸惑ってしまうこともあるでしょう。子どもの様子を保護者が正確に伝えることで、医師はそれを参考にしながら診断をしたり薬を出したりするので、診察にあたってとても大切です。

 まず受診の目安は、生後6カ月くらいまでだったら、37.5度以上(あるいは平熱より1度高い状態)が続く時、ミルクや母乳を飲む量がいつもの半分以下が続く時です。それ以上の月齢・年齢だったら、いつもと状態が違ってつらそうな時に受診してください。子どもが熱が高くても元気でよく食べられていれば、すぐに受診せずに様子を見てもかまいません。風邪を引いたとき早く小児科に行ったら、早く治るわけではないんです。風邪か、その他のもっと重い病気かわからないときには早く受診しましょう。

普段との違いを具体的に伝えて 

 次に、小児科へ行ったら次のような内容や順番でお子さんの状態を言えるようにしておきましょう。

 まず、間違いがあるといけないので、小児科外来ではお子さんの氏名、性別、年齢を確認します。予防接種の際などは、何度も確認されるかもしれませんが、面倒と思わずに省略しないようにしましょう。ほかの子に用意されていたワクチンを打ってしまったら大変です。

 そして、主訴といってなにが一番辛くて受診したのかを言います。例えば「昨日からせきがひどくて、夜は眠れなかったんです」とか、「3日前からうんちがゆるくて、おむつかぶれがひどいんです」といったことです。「○日前から」とか、「○月○日から」と具体的に伝えてください。「旅行中は良かったんですが帰って来てからです」というのは、他の人にいつだかがわからないので適切ではありまません。大体でも良いのでいつからかを教えてください。 

 正しい診断には、普段の様子と受診したときがどう違うのかも参考になります。2歳くらいまでは、元気でも毎晩何回も目覚める子がいます。「いつもは1−2回しか起きないのに、昨日は眠りが浅くて4−5回起きました」といったようなことを教えてください。普段の食事量と比べて半分以下しか食べられないとか、以前は熱があっても遊んでいたけれど今日はぐったりしていて遊ばないという、保護者でないとわからないことが、参考になります。

 家族の間や保育園や幼稚園など、周囲ではやっている病気があったら伝えてください。典型的な症状がそろわなくても、念のため検査したら溶連菌感染症だったということもあります。

予診票の記入で言い忘れ、聞き忘れを防ぐ

 共働き世帯が、専業主婦世帯のおよそ倍になっている昨今なので、お子さんの面倒をお父さんがみていて、バトンタッチしてお母さんがクリニックにつれてくるという場合、あるいは逆もあります。おばあちゃん・おじいちゃんやシッターさんにクリニックに連れて行ってもらうときなども、上記のことが口頭では正確に伝わらないでしょう。 

 

 また、お子さんが複数いる場合は、クリニックで診察中もバタバタしてしまいがちです。診察室に入ると、緊張して話しづらい、聞きたいことが聞けないというお父さんやお母さんもいます。

 そこで出版記念に家庭用の予診票を作りました。こちらのURLから無料ダウンロードできます。(http://www.naigai-shop.com/SHOP/731817.html別ウインドウで開きます

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 使い方は簡単。一度ダウンロードして、太枠内だけを書いて、コピーしておきます。体重は変わるので、その都度書くようにしましょう。わからない場合は、小児科で測れます。最後に、聞きたいことをメモしておくといいでしょう。たとえば、お風呂に入れていいかとか、ついでに予防接種の時期を確認したいとか。

 これを使えば、きっと伝え忘れや聞き忘れも防げますし、看病を引き継いだり、誰かにクリニックに行ってもらったりするときも安心です。ぜひ活用してくださいね!

<アピタル:小児科医ママの大丈夫!子育て>

http://www.asahi.com/apital/column/daijobu/(アピタル・森戸やすみ)

アピタル・森戸やすみ

アピタル・森戸やすみ(もりと・やすみ) 小児科医

小児科専門医。1971年東京生まれ。1996年私立大学医学部卒。NICU勤務などを経て、現在はさくらが丘小児科クリニックに勤務。2人の女の子の母。著書に『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』(内外出版)、共著に『赤ちゃんのしぐさ』(洋泉社)などがある。医療と育児をつなぐ活動をしている。