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【まとめて読む】患者を生きる・スポーツ「練習のしすぎ」

 陸上の幅跳びを専門としていた大阪府羽曳野市の大学2年男性(20)は、小学生のころから全国大会で活躍しました。しかし、高校3年のときに全国大会出場を逃すと、その後は激しい練習を積んでいるにもかかわらず、記録が落ち続けます。過剰な練習で疲労が簡単に回復しない「オーバートレーニング症候群」と診断され、休養することになりました。誰よりも練習することがライバルに差をつけると考えていた男性。休養の大切さを初めて実感し、競技復帰に向けて少しずつ歩み始めています。

体を軽くするつもりが… まさかの予選落ち

 陸上の幅跳びや10種競技が専門の大阪府羽曳野市の大学2年生の男性(20)は、今年5月、「オーバートレーニング症候群」と診断された。長期間の過剰なトレーニングにより、疲労が積み重なり、簡単に回復しなくなった状態のことだ。

 小さいころから運動好きで、小学5年のころから幅跳びを専門にした。すぐに頭角を現し、中学2年の時、ジュニアオリンピックで優勝した。「アジア大会や五輪の舞台で戦いたい」。高校は幅跳びの有力選手が多く輩出していた府内の強豪校に進んだ。

 ほかの陸上部員よりも多く練習するのが当たり前だと考えていた。練習メニューは顧問から課された回数よりも多くこなし、帰宅後も1時間ほど自主練習に取り組んだ。記録は順調に伸び、2015年10月、高校2年で出場した日本ユース陸上競技選手権では7メートル40の自己ベストを記録、2位に入った。

 大会後、顧問の知人だったトレーナーから、もう少し体重や体脂肪率を落とせば、体が軽くなって成績が伸びると言われ、糖質制限の食事療法を提案された。

 一般的にエネルギーの源となる糖質を控える食事は運動選手では薦められていない。しかし、元々筋肉がつきやすく、ほかの選手より体が大きいのを気にしていた男性は「体重や体脂肪率が下がればもっと記録が出るはず」と強く思うようになった。

 食品成分表を持ち歩き、食事は肉や卵、サラダのみで、米やパンといった炭水化物をとらなくなった。身長174センチ、71~73キロだった体重を大会前は68キロ以下にすることを目指した。練習は体重や体脂肪率を落とすことが目的になっていった。

 

 次第に体の重さが気になるようになった。ただ練習ができないほどではなく、「こんなものだろう」と思っていた。

 16年6月、高校3年の全国高校総体の近畿大会。普段通り跳べば全国大会に出場できるはずだった。だがライバルが順調に記録を出す中、記録が伸びない。最後の1本も踏み切りが合わなかった。「やばい、終わった」。まさかの予選落ちに頭が真っ白になった。

1日11時間の猛練習 落ちていく記録、精神不安定に

 幅跳びの有力選手だった大阪府羽曳野市の大学2年男性(20)は2016年6月、高校3年の全国高校総体の近畿大会で予選落ちをした。あまりのショックに一時は陸上をやめようと投げやりになり、練習にも行かなくなった。陸上の強豪大学への進学の話も立ち消えとなった。

 しかし、次第にこのままでは終われないと思うようになった。17年春、奈良県内の大学に進み、陸上を続けることにした。「ここで強くなってもう一度力を証明したい」。授業の空き時間も使い、高校時代よりも練習量を増やした。

 思いとは裏腹に、幅跳びの記録は落ち続けた。自分の跳び方を撮影した動画を見ても、技術的な問題は見つからず、自分でも何が悪いのかわからなかった。

 

 大学1年が終わろうとする今年2月、幅跳びから10種競技への転向を決意した。「幅跳びで飛び抜けた成績を出さなくても上位に行ける可能性がある」と考えた。

 転向を機に糖質制限はやめたが…

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