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 がんになると多くの患者が痛みを感じる。早い段階から痛みは現れて長く続き、患者の生活の質を落とす。だが、治療に使う医療用麻薬への誤解などで、我慢してしまうケースも少なくない。適切な治療をすれば痛みの多くは和らげられると知り、医師や看護師らに伝えることが大切だ。

程度に合わせ、薬を使い分け

 愛知県の会社員男性(43)は2017年12月、膵臓(すいぞう)がんと診断された。おなかの中を絞られるような痛みが強くなり、デスクワークが中心の仕事を中断せざるを得ないことが増えた。

 抗がん剤治療を受ける、愛知県がんセンター中央病院で痛みを訴えると、緩和ケアチームを紹介された。オキシコドンという医療用麻薬を1日に2回のみ始め、痛みは弱くなった。

 「痛みが抑えられ、仕事に集中できている。今後の生活にも目が向けられるようになった」と男性は話す。

 痛みは、腫瘍(しゅよう)が内臓を圧迫したり、神経を刺激したり、骨に転移したりして起きる。がんの診断時に2~5割、進行がん患者では7~8割にあるとされる。

 がんの痛み治療に詳しい梶原診療所の平原佐斗司所長は「痛みは患者を苦しめ生活の質を損なう。気持ちを消耗させ、治療にも悪影響を及ぼす」と指摘。一方で、「多くの痛みは和らげることができる」と話す。

 痛みを軽くする治療には、鎮痛薬のほか放射線、麻酔薬の注射などがある。目標は(1)夜眠れる(2)じっとしているときに痛くない(3)体を動かしたときに痛くない――の3段階ある。薬による治療は、WHOが示すがん疼痛(とうつう)治療法に基づき、痛みの強さの程度に応じて使い分ける=図。

 弱い痛みには、消炎鎮痛剤やアセトアミノフェンといった日常の診療でも使う解熱鎮痛薬。弱から中程度だとコデインやトラマドール。痛みが中くらいから強いときはモルヒネ、オキシコドン、フェンタニルといったオピオイド鎮痛薬と呼ばれる医療用麻薬を使う。解熱鎮痛薬のほか、抗うつ薬などの鎮痛補助薬も症状などに合わせて併用する。

 オピオイドは、基本的には1日1~2回。痛みが一時的に強くなったときは、すぐ効く「レスキュー」というタイプの薬を使う。

 薬は錠剤や粉薬などのみ薬のほか、注射薬や貼り薬もあり、口からのめなくても使える。薬が効かない場合や副作用が強い場合は、使う薬を切り替える。東京共済病院緩和ケア内科の茅根義和副部長は「薬の種類が以前より増え、患者さんの状態に合わせた対応ができるようになっている」と話す。

写真・図版

医療用麻薬、中毒などの誤解

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